気候変動はすでに始まっており、早く行動を起こさなければ大きく悪化するだろう――。これが、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が8月に公開した画期的な報告書の要旨だ。その上で、地球上のあらゆる地域が気温上昇の影響を受けることになると報告書は警告していた。
そして、この予測に具体性を与える新たな論文が、英国の「Nature Climate Change」誌に現地時間10月11日付で掲載された。この論文によれば、ドイツの研究者らが機械学習を利用して6万件以上の気候変動関連の研究を分析した結果、世界の全人口の85%が人間によって引き起こされた気候変動の影響を受けていると推定されたという。この研究を主導したのは、ベルリンにある気候変動に関するメルカトル研究所(Mercator Research Institute on Global Commons and Climate Change:MCC)のMax Callaghan氏だ。
今回の研究は、英国のグラスゴーで10月31日から11月12日まで開催される第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に先立って発表された。COP26では、米国のJoe Biden大統領や英国のBoris Johnson首相など世界各国のリーダーが一堂に会し(ただし、中国の習近平国家主席は参加しない)、二酸化炭素排出量の削減に向けた新たな公約が打ち出されることが期待されている。2015年に開催されたCOP21ではパリ協定が締結されており、グラスゴーではカーボンニュートラルに対するさらに野心的な公約が合意されることを観測筋は期待している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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