ユーザーから見ると、Siriがアラームやリマインダーの設定やアプリの起動などのコマンドに、オフラインでも応答するようになる、ということだ。Siriにウェブで何かを検索させる機能は、今回のアップデートに含まれていない。
プライバシー強化に加え、一部のリクエストについてはSiriの応答時間が速くなっているとAppleは話している。音声処理がオフラインで実行されるためだ。
ただし、注意点がある。Siriのデバイス内音声処理を利用できるのは、「A12 Bionic」以降のチップを搭載しているiPhoneおよびiPadのみとなる。
Appleの「App Tracking Transparency」機能のファンだった方なら、「Appプライバシーレポート」もおそらく気に入るだろう。「Safari」の例にならったこのレポートは、「設定」からアクセスできる新しいセクションで、アプリが自分のプライバシーをどう扱っているか、その概要が分かる。各アプリがいつカメラやマイクへのアクセス許可を求めたかが分かり、過去7日間に自分のデータがどこに、または誰と共有された可能性があるかも確認できる。これらすべての機能が、iOS 15.5に一層の透明性をもらしている。
Appleのメールプライバシー保護機能は、iPhoneのデフォルトの「メール」アプリに組み込まれている。宣伝メールやニュースレターを開封したとき、その差出人が収集するデータの量を制限する機能だ。中でも、この機能にはIPアドレスを隠すオプションがあるので、他のオンラインアクティビティに結び付けられたり、位置の特定に利用されたりしなくなる。スパムのようなメールマーケティングを行っている事業者に、メールやインターネットに関する行動の詳細を知られずに済むのだ。
Appleは、この機能を次のように説明している。
メールアプリケーションの「メールプライバシー保護」は、差出人が目に見えないピクセルを使ってユーザーに関する情報を収集するのを防止する。この新機能は、ユーザーがいつメールを開いたかを差出人が知るのを防ぎ、ユーザーのIPアドレスをマスキングすることで、差出人が、ユーザーのほかのオンライン上の行動にIPアドレスを結びつけたり、ユーザーの位置情報を判断するために使用したりできないようにする。
SafariにはIPアドレスを難読化する機能もある、とAppleは話している。
有料のiCloud+ユーザーは、新しいプライバシー機能をいくつか利用できる。その1つがSafariのプライベートリレーツールで、ウェブブラウザー上の行動を広告事業者やインターネットサービスプロバイダーから隠す。iPhoneから発信されるトラフィックを暗号化する仕組みなので、サードパーティーまたはAppleに傍受されることはなく、検索内容を知られることもない。
2つ目が「メールを非公開」と呼ばれる機能だ。有料のiCloud+ユーザーであれば、何かの会員登録するときや小売事業者のアカウントを登録するとき、iPhoneでランダムなメールアドレスを生成することができる。この「偽アドレス」宛てに送信されるメールはすべて、メールを非公開機能によって実際のメールアドレスに転送される。つまり、メールを非公開によって、自分のメッセージの出所が小売業者にはわからなくなるので、実際のメールアドレスを知られることはなくなる。ユーザーのメールアドレスに直接アクセスする会社を減らすという発想だ。
これで、iPhoneのプライバシー機能をうまく管理できるはずだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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