Microsoftは、「Arm版Windows」(WoA)に向けた開発者向け小型PC「Project Volterra」を発表した。開発者がArmネイティブのアプリを構築できるようにするもので、Qualcommの「Snapdragon」を搭載。2022年中にリリース予定だ。開発者はMicrosoftが提供する各種開発ツールの新たなArmネイティブ版を利用して、さまざまなアプリ開発できるようになり、とりわけデバイス上で人工知能(AI)処理を行うアプリの開発でメリットが見込まれる。
Microsoftは米国時間5月24日、オンラインで開催中の年次開発者会議「Microsoft Build」の初日にVolterraを発表した。WoAプラットフォームに対する期待をさらに高めたい考えがうかがえる。同社は以前からWoAに取り組んでいるが、これをベースに動作する魅力的なPCとデバイスはまだほとんどない。QualcommがPC向けに本格的なWoA対応プロセッサーをリリースするのは2023年後半以降になるとみられている。
Microsoftは、「インテリジェントなハイブリッドコンピューティング」というビジョンの実現を目指しているという。これは、デバイス上のCPU、GPU、NPU(ニューラルプロセッシングユニット)によるローカルコンピューティングを、「Azure」によるクラウドコンピューティングと組み合わせるというものだ。同社は、いずれ「将来のコンピューティングデバイスのすべてではないにしても、その大多数」にNPUが組み込まれると予想しているという。Microsoftは4月、音声の明瞭化(Voice Clarity)、自然なアイコンタクト、自動フレーミングなど、「Windows 11」に追加するAI搭載機能を多数発表しており、これらの機能はいずれもNPUが組み込まれたPCでのみ動作するとみられる。
MicrosoftはBuild会議の中で、「Arm64」でネイティブで動作するよう設計された多くの開発ツールのプレビュー版を、今後数週間のうちにリリースすると発表した。また、WoAのネイティブサポートに向け、Python、Node、git、LLVMなど多くのオープンソースプロジェクトとも協力するとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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