Googleは米国時間5月17日のブログ投稿で、オール電化、ネットウォーターポジティブ(消費するよりも多くの水を還元すること)のキャンパスをカリフォルニア州に開設したことを明かした。Googleが施設を自社設計したのは、今回が初めてだ。
同社によると、カリフォルニア州ベイビューに開設された新しいキャンパスは、北米で最大の地熱設備を備えるという。この地熱システムで施設の冷暖房を行う。この設計により、年間500万ガロンの水(従来のシステムを使用した場合に温度調節に必要となる水の90%)を節約できる、と同社は見積もっている。
キャンパスは印象的なソーラーパネルの屋根を備えているが、この屋根は端がとがっており、Googleが「竜のうろこのソーラースキン」と呼ぶパターン状で下に傾斜している。同社によると、このソーラールーフと近くの風力発電所が、キャンパスで使用される電力の90%をカーボンフリーで発電するという。
米CNETはGoogleにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
シリコンバレーでは、自然と建造物をより全体的に調和させた新しい施設がトレンドになっており、Googleのベイビューキャンパスもその流れを汲むものだ。Microsoftの新しいシリコンバレーのキャンパスとAppleが建設中のオースティンのキャンパスも、同様の設計手法を採用している。Facebookは2018年、メンロパークのキャンパスを拡張し、緑の草木とアメリカスギの大木を備えたFrank Gehry氏設計のオフィスを加えた。
二酸化炭素排出量を制限すれば宣伝になるため、テクノロジー企業のキャンパスもサステナビリティーを念頭に置いている。人間が排出する二酸化炭素の量を考えれば、これらの手法はあまり効果がないのではないか、と疑問を呈する者もいる。
マウンテンビューにあるGoogleの本社から1マイル(約1.6km)離れた場所に開設されたベイビューキャンパスでは、飲料水以外のすべてに再生水と雨水を使用する。集めた水は冷却塔や水洗トイレ、かんがいに使用される。Googleの目標は、2030年までに、使用される水の120%を補給することだ。
Googleが先頃開設したマンハッタンのキャンパスと同様に、新しいキャンパスでも「バイオフィリックデザイン」の指針を取り入れている。バイオフィリックデザインは、自然界と現代の建築を調和させる手法で、緑地空間や自然光、自然素材などの特徴を備える。
Googleによると、ベイビューキャンパスでは、すべてのデスクから屋外の景色を眺めることができるという。また、通常の換気システムでは多くの場合、20%~30%の外気しか使用しないが、同キャンパスでは100%外気を使用するという。
キャンパスの下層階は、共同作業のための集いの場として機能する。上層階は中庭で区切られており、「小さな街区」に見えるよう設計されている。
Googleは現在、従業員に在宅勤務とオフィス勤務の両方を認めるハイブリッド型の勤務スケジュールを採用している。
その他の設備には、2つのキッチンと7つのカフェ、湿性草地、森林、低湿地を含む17エーカー(約6万8800平方m)超の自然エリアなどがある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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