NTTは5月9日、NTTグループのグローバル持株会社である「NTT株式会社(NTT, Inc.)」および、グローバル通信事業を営む「NTT Limited」を、NTTデータの傘下に移管すると発表した。
これにより、NTT, Inc.、NTT Ltd.の下で営むグローバル事業と、NTTデータグループのグローバル事業を統合する。
具体的には、10月にNTT45%、NTTデータ55%の共同出資により、海外事業会社を設立する。共同出資とすることで、戦略、実務面での連携を進め、グローバル事業の成長を狙う。また、統一した事業戦略のもと、アプリケーション開発からネットワークとITインフラの構築、システムの運用まで、ITシステムに必要なサービスをトータルで提供する。
NTTの研究開発などの成果も活用し、Smart Worldや5Gなどの分野におけるビジネスも推進するほか、中長期的にはIOWN構想を中核とした環境価値、社会価値も提供可能な高度なサービスの実現に向けて取り組むとしている。
NTTグループは2018年、グローバル事業を統括する中間持株会社としてNTT, Inc.を設立。2019年にはNTT, Inc.の傘下に、NTTコミュニケーションズグループ、Dimension Dataグループ(当時)、NTTセキュリティグループ(当時)の各グローバル事業をNTT Ltd.グループとして再編成した。
その後、再編成したNTT Ltd.グループとNTTデータグループを"One NTT"とし、グローバル事業の成長を加速させた結果、NTTグループはアプリケーションからITインフラまで提供できるグローバルプレイヤーとしての地位を確立。グローバル事業の売上高は、約2兆円に成長しているという。
しかし、昨今の顧客ニーズはますます多様化、高度化しており、デジタル技術を活用したトランスフォーメーション(DX)や、ITモダナイゼーションへのニーズが高まっている。また、競合各社は社会、テクノロジーの変化に合わせてサービスラインを拡大するなど、事業環境が大きく変化しているという。
そこで、NTTデータとNTT Ltd.で行ってきたビジネスユーザー向けグローバル事業をNTTデータ傘下に集約。また、NTTデータの持つコンサルティング、アプリケーション開発などのケイパビリティと、NTT Ltd.が得意とするデータセンター、ネットワーク、マネージドサービスなどの高付加価値サービスを組み合わせ、顧客へとトータルで新たな価値を提供するという。
加えて、NTTグループのグローバル人材を結集し、海外各地域における事業特性や顧客特性などに合わせた迅速な意思決定を実現。グローバルガバナンスを強化していくとしている。
なお、NTTは、市場買付により6000万株または、1000億円を上限として、NTTデータ株式を取得することを予定しているという。
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