Appleは米国時間4月27日、一部製品について、かねての計画通り修理マニュアルを公開し、修理部品とツールのオンライン販売を開始した。その目的は、iPhoneユーザーが自らのデバイスを修理するにあたり、これまでと別の方法を選べるようにすることだという。
「Self Service Repair」と呼ばれるこの修理プログラムは、まずはAppleのスマートフォン「iPhone 13」「iPhone 12」および第3世代の「iPhone SE」を所有する米国のユーザー向けに提供される。Appleによると、これは同社の認定技術者やパートナー修理ショップと同じ部品、ツール、説明マニュアルを、冒険心と能力がある一般の人が利用できるようにするプログラムで、故障時にも新しい製品を購入する以外の選択肢を提供し、より手軽な修理を可能にすることを目指しているという。
Appleは同社の計画を説明した27日公開の文書で、「顧客がデバイスを最大限に活用できるよう、安全で信頼できるセキュアな修理を手軽に利用可能にする責任を、当社は顧客と環境に対して負っていると考えている」とした。
AppleのDIY修理プログラムの背景には、同社をはじめとするテクノロジー業界の大手企業が、ユーザーに対し、より安い費用で自ら修理できる選択肢を与えるべきだという圧力にさらされているという事情がある。こうした考え方はしばしば「修理する権利」(Right to Repair)と呼ばれる。
Self Service Repairは、2022年中に欧州でもサービスが開始される。「Appleシリコン」搭載Macの部品やマニュアル、ツールも年内にプログラムの対象となる。購入可能なApple純正部品は、正規サービスプロバイダーで入手可能なものと同じで、価格も同じだ。
例えばiPhone 12のディスプレイバンドル(ディスプレイとネジの交換セット)は269ドル95セント(約3万5000円)。このセットには、ディスプレイ、ネジ、交換用の接着剤などが含まれている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」