Twitterを買収するマスク氏に欧州委員が警告--「規則を守る必要がある」

Zachary McAuliffe (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 高森郁哉 (ガリレオ)2022年04月27日 12時04分

 Twitterが米国時間4月25日、同社を約440億ドル(約5兆6000億円)で買収するというElon Musk氏の提案に合意したと発表したことを受けて、欧州委員会の委員は同氏が欧州連合(EU)の規則、特に「デジタルサービス法」(DSA)を「守る必要がある」と警告した。

Musk氏のTwitterアカウント
提供:Sarah Tew/CNET

 欧州委のThierry Breton委員は、26日のツイートで次のように述べた。「自動車であれ、ソーシャルメディアであれ、欧州で事業を行う企業はその株式保有状況に関係なく、われわれの規則を守る必要がある。Musk氏はこのことを十分承知している。同氏は自動車に関する欧州の規則に詳しく、DSAにもすぐに適応するだろう」

 欧州委の広報担当者は米CNETの取材に対し、DSAをすべての主要プラットフォームに適用する目的は、「公共の議論に対するプラットフォームの力を、特に透明性と説明責任の点で、民主的に検証された規則に従わせる」ことにあるとして、次のように述べた。「DSAの施行後は、関連する他のすべてのオンラインプラットフォームと同様にTwitterにもこの規則を順守させるため、欧州委として今後もその動向を適宜監視していく」

 DSAは、23日にEUが主要法案の基本事項について合意に達したことで、大きく前進した。次の段階としてEU各国と欧州議会の正式な承認を得る必要があり、2024年初めに発効する見込みだ。

 DSAには、Facebook、Google、Twitterなどの大手サービスがそれぞれのプラットフォームで偽情報の拡散を取り締まることや、アルゴリズムがユーザーにどのようにコンテンツを推奨するかを明らかにすることなどが盛り込まれている。また、子ども向けや、ユーザーの民族性や性的指向に合わせて作成されたターゲティング広告など、プラットフォームで特定の種類の広告を禁止する。

 欧州委が公開している概要によると、DSAの下で、EU人口の10%以上の利用者を擁するプラットフォームは、自社システムの悪用を防ぐために講じている対策について、独立した監査を受けることが義務付けられる。この法律に違反した企業は、多額の罰金を科されるとともに、ブランドの評判を損なう恐れがある。

 欧州委のMargrethe Vestager委員は23日、「DSAで、われわれは安全で責任あるオンライン環境の構築を支援する」と述べていた。

 Twitterはコメントを控えた。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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