Amazonの新しい家庭用ロボット「Astro」が、招待制で1000ドル(約13万円)で発売されている。私はレビュー用に1~2週間試す機会を得た。さて、この、セキュリティデバイスでもあり、動き回る車輪付き「Amazon Echo」でもあり、子ども向けの疑似ペットでもあり、モバイル動画ストリーミングデバイスでもあり、(周辺機器を追加すれば)犬用自動給餌マシンにもなる多才なロボットをどうレビューしたものか。
今のところ、Astroの遊び心のあるパーソナリティーには感銘を受けたが、その機能は玉石混交で、価格相応だと思える機能は見つかっていない。
クールで革新的だとは思うが、重要かというと、どうだろう。まだ自分で買おうとは思わない。
Astroの移動方法は、最新の掃除ロボットと同様に、自己位置推定(V-SLAM)システムのための多数のセンサーとレンズを採用したものだ。だが、Astroが動き回る目的は、掃除ロボットとは異なる。
「Astroには、ちょうど良い歩行速度で優雅に家の中を動き回ってほしかった。だから、掃除ロボット用の一般的なSLAMシステムと障害物回避システムでは不十分だった。掃除ロボットは非常に動きが遅いし、物体にぶつかろうとするものだ」と、Astroのプリンシパルプロダクトマネージャー、Anthony Robson氏は私に語った。
つまり、Astroのチームは「振り出しに戻って」、新しい一連のニーズを念頭に、新たな移動システムを考え直さなければならなかったという。
AmazonのチームがAstroの移動システムで注力したことは明確だ。Astroは快調な時、自信を持って家中を歩き回り、分厚い絨毯も問題なく乗り越える。
だが、Astroは完璧ではない。米CNETが保有するスマートホームの1階をマッピングするのに、2度失敗した。Amazonの担当者と何度か電話した結果、どうやら複数の原因があることが分かった。木の床の反射やAstroのドッキングステーションを窓の近くに置いたことで、Astroが自分の位置を把握する能力が妨げられ、リビングにむき出しの状態で存在する階段がマッピングを混乱させていた。
こうした障害を乗り越えるために、窓を閉め、階段をダンボール紙で覆った。これでAstroは1階のマッピングに成功した。
家の中のマッピングに成功したら、Astroを連れてすべての部屋を案内し、各部屋で止まってその部屋の名前を告げる。アプリで少し修正する必要はあったが、Astroはほとんどの部屋をちゃんとマッピングした。家中をマッピングして以来、部屋から部屋への移動はかなりうまくできている。幾つかのドアを閉めて他の部屋への新しいルートを開拓させてみたところ、Astroはかなりの確率で新しいルートを見つけて目的地に到達した。
だが、Astroはまだ時々迷子になる。もっとイライラするのは、Astroは常に自分の前後に5フィート(約150cm)の空間を確保することが推奨されており、狭い廊下で立ち往生することがある。米CNETのスマートホームにあるキッチンはU字型のレイアウトでその中央に大きなカウンターがあるのだが、Astroはここで頻繁に動けなくなる。冷蔵庫や食器棚を使いたいときに、Astroに後退するか横に移動するよう命令しても、ほとんど言うことをきかない。
Astroが家の中をマッピングした後、アプリを使って任意の部屋をブロックできる。そうすると、Astroは(たとえばトイレなどに)付いてこなくなる。今のところ、この機能はうまく作動しているようだ。さらに、Amazonによると、家で過ごす時間が長くなるにつれてAstroはうまく移動できるようになるそうだ。また、アップデートによっても改善していくという。
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