Meta、メタバースでのアイテム販売に47.5%の手数料

Daniel Van Boom (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年04月14日 10時11分

 Metaは、Facebookから社名を変更してから6カ月近くが経過した米国時間4月11日、メタバースアプリ「Horizon Worlds」内で一部のクリエイターがユーザーに商品を販売できるようにする、テストフェーズを開始した。Horizon Worldsは現在、仮想現実(VR)ヘッドセット「Meta Quest 2」で利用できる。

Horizon Worlds
提供:Meta

 Twitterを利用するNFTトレーダーの注目を特に集めたのは、Metaが各商品販売に対して47.5%の手数料を徴収するという点だ。

 Horizon Worldsにおける各アイテム販売に対し、MetaはQuestプラットフォームの手数料30%を差し引いた残り金額から25%を徴収する。その手数料は、しばしば批判されているAppleの「App Store」の30%よりも高く、NFTの一般的な取引手数料よりもはるかに高い。NFT業界では、マーケットプレイスOpenSeaは取引金額の2.5%を徴収し、クリエイターは通常、2.5~7.5%を徴収する。

 はっきりさせておくが、Metaが販売するアイテムはNFT(非代替性トークン)ではない。どちらかといえば、「フォートナイト」などのゲームで現在購入できるようなスキンやアニメーションに近い。しかし、Metaが構築しているメタバースは、「Sandbox」や「Decentraland」といった仮想通貨に基づくメタバースと競合するもので、これらのメタバース内のアイテムはNFTとして保有されている。

 この問題の中心にあるのは、メタバースをどのように構築するべきかという哲学的観点である。メタバースは、多くの人々が集まる、あらゆるデジタル世界を指す。「セカンドライフ」や、「World of Warcraft」のようなゲームを思い浮かべてほしい。ここでの疑問は、世界最大規模のソーシャルメディア企業が構築するメタバースの次なる波が、クローズドであるべきか、オープンであるべきかということだ。クローズドメタバースは中央集権的に運営され、その土地やアイテムは、その世界を構築した企業が保有する。オープンメタバースでは、ユーザーがメタバース上の土地やアイテムをNFTとして購入して保有し、それらを仮想通貨と交換することができる。

 例えば、現在ベータテスト段階にあるSandboxは、ブロックチェーンが組み込まれたメタバースで、固定された16万6464区画の土地で構成されており、それらの土地を実世界の不動産のように購入して利用できる。クリエイターはSandbox内のアイテムを作成し、イーサ(ETH)と交換可能なSandboxのネイティブ仮想通貨である$SANDで販売する。

 オープンメタバースは、Horizon Worldsのような一元的に設計されたメタバースと比べて、より有機的な仮想社会になるとされている。あるツイートには、「Facebookが各NFT販売に対して47.5%の手数料を徴収するのは、私たちにとってこれまでで最も素晴らしいことだ」と書かれている。Metaの手数料があまりにも高いことが、クリエイターをSandboxやDecentralandのようなオープンメタバースに向かわせる、追い風になるという意味だろう。

 Metaにコメントを求めたが、回答は得られていない。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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