サムスンのミッドレンジスマートフォンの最新機種「Galaxy A53 5G」は、2021年の「Galaxy A52 5G」と同様、コストパフォーマンスに優れたモデルとなっている。約6.5インチの広々としたディスプレイに加えて、広角カメラ、超広角カメラ、マクロカメラを搭載。価格は450ドル(約5万3000円)と、前モデルより50ドル(約6300円)も安く、「Android」OSのアップグレードも少なくとも4世代分は保証されている。
Galaxy A53 5Gは、確かに多くの魅力を備えているが、価格を考えればどこかに妥協点があるはずだ。ハイエンドモデルに比べて、処理速度やカメラ性能に違いを感じる可能性はある。
とはいえ、Galaxy A53 5Gは、価格に対して十分以上のものを提供している。同じ価格帯の「iPhone SE」の画面が大幅に小さく、カメラがリアカメラ1つだけということを考えればなおさらだ。 500ドル未満の頑丈なAndroidスマートフォンを探している人は、GalaxyA53 5Gを買って後悔することはないだろう。
Galaxy A53 5Gのデザインは、サムスン製スマートフォンではおなじみのものだ。前面はほぼすべてディスプレイとなっており、自撮り用カメラの穴が1つ空いているにすぎない。背面はマット仕上げで、マルチレンズのカメラシステムを搭載している。
約6.5インチのAMOLEDディスプレイ(解像度2400x1080ピクセル)は、約6.1インチの「Galaxy S22」や4.7インチのiPhone SEと比べるとかなり大きい。約6.4インチの「Galaxy S21 FE」よりはやや大きく、約6.6インチの「Galaxy S22+」よりは若干小さい。大きい画面のスマートフォンが欲しいが、500ドル以上は出せないという人にとっては最高の選択肢となるだろう。
1つだけ、不満点を挙げるとすれば、太陽光の下ではディスプレイが見にくいことだ。屋外での使用時は、画面の明るさを目一杯上げなければならないことが何度かあった。
Galaxy A53 5Gは5000mAhのバッテリーを搭載している。これはサムスンの最上位機種で、1200ドル(約15万円)する「Galaxy S22 Ultra」と同じ容量だ。Galaxy A53はUltraほど大きくもパワフルでもないことを考えると、ぜいたくな仕様と言っていい。ディスプレイのリフレッシュレートを高くしてもバッテリーは1日以上余裕で持った。丸1日使った日も、翌朝にはまだ50%以上残っていた。
Galaxy A53 5Gは比較的安価な端末であり、搭載しているプロセッサーもそれほど強力ではない。具体的には、ミッドレンジのサムスン製プロセッサー「Exynos 1280」だ。これに対して、高価格帯の「Galaxy S22」シリーズはQualcommの「Snapdragon 8 Gen 1」やサムスンの「Exynos 2200」を搭載している。しかし通常の使用では、A53とGalaxy S22のプロセッサーが違うことに気付く人はいないだろう。「アスファルト9」や「Shadowgun Legends」といったゲームもなめらかに動き、スクロール操作も通常は快適だ。これは最大120Hzのリフレッシュレートに対応しているおかげだ。
それでも、ちょっとした遅れを感じることはあった。例えば、キーボードがすぐに出てこない、何度もホームボタンを押さなければアプリが終了しないといったことだ。検索バーでアプリを検索する際も若干のもたつきを感じた。こうした遅れは、全体的な使い勝手を損なうほどではないが、無視できない程度の頻度で発生した。最も顕著だったのは、スマートフォンを再起動した直後だ。
ベンチマークテストでも、Galaxy A53 5Gのスコアは「Galaxy S21 FE」やiPhone SEを大幅に下回った。
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