東芝は4月6日、ファブリカコミュニケーションズ、丸紅プラックスと、中古車EV(電気自動車の中古車)の電池状態診断技術の実証実験を行うことに合意したと発表した。
中古車EVの安全性と流通の活性化を目的とした新しいサービスを検討すべく、東芝が二次電池「SCiBTM」事業で培った電気化学的手法、統計的手法といった電池劣化診断技術を活用する。簡素化した装置でEV電池を短時間で測定し、電池の残存容量や残存性能、電池そのものの内部状態などを詳細に把握する手法を検証する。
丸紅プラックスとファブリカコミュニケーションズは、今回の実験から得られたEV電池の測定データを、両社が事業を通して蓄積してきたさまざまな自動車データと組み合わせ、中古車EVの安全性と適正な価値算定や評価手法の確立を目指す。
これにより、中古車業界向けに提供している既存プラットフォーム上に新たにEV中古車情報を組み込むことができるようになるとしている。
EVは、脱炭素化の主役として2030年の温室効果ガスの削減目標に向けて世界的に急速な市場拡大が期待されており、中古車市場に流通するEVの台数も急速に増えると予想されている。しかし、中古車EVの安全性と流通の活性化を目指す上で、「EV電池(車載バッテリー)」の状態診断やその診断結果に対する評価が極めて難しいという課題がある。
EVの原動機である「モーター」の状態評価は、エンジン車と同じく積算走行距離が価値算定する上でのひとつの指標となっているが、繰り返し充放電される「EV電池」については、価値算定の指標がまだ確立されていないという。
3社は、同実験を通じて、次世代に向けたEV普及に寄与するソリューションやサービスの創出を進めていく。
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