筆者が2020年に試したMojo Lensは、モーショントラッキング技術やバッテリーが搭載されていないバージョンだった。新しいバージョンは、バッテリーアレイ、モーショントラッキング機能、短距離ワイヤレス接続を備えている。
しかし、Mojo Lensはそれ単体で使用できるデバイスではない。独自規格のワイヤレス接続で首に装着する別のデバイスと直接通信し(Mojo Visionはこれをリレーと読んでいる)、このデバイスがレンズのコンパニオンコンピューターとして機能する。筆者が見たのはレンズだけで、首に装着するデバイスは確認できなかった。
レンズには、より電力効率の高い短距離ワイヤレス接続が必要だったため、現時点では、スマートフォンと直接接続することはできない。筆者に最新のデモを見せてくれたMojo Visionの製品担当シニアバイスプレジデント(SVP)のSteve Sinclair氏は、「Bluetooth LEは通信頻度が高く、電力を大量に消費するので、自分たちで独自規格のワイヤレス接続を構築する必要があった」と述べた。Sinclair氏によると、Mojo Visionのワイヤレス接続は5GHz帯域だが、ワイヤレス接続が干渉を受けたり干渉を引き起こしたりするのを防ぐために、まだ改良が必要だという。
「スマートフォンには、Mojo Lensに必要な無線がない」とSinclair氏。「レンズの送信能力を考慮すると、コンパニオンコンピューターはある程度頭の近くで使用する必要がある」。同氏によると、この技術をヘルメットや眼鏡に組み込むことも今後可能になるかもしれないが、現時点では、ネックバンドタイプのデバイスが最も現実的だという。
同社は、いずれは、より長距離の接続を可能にしたいと考えている。首に装着するプロセッサーは今後、スマートフォンへの接続が可能になる。スマートフォンのGPSを取得し、スマートフォンのモデムを使用して接続する。つまり、このネックバンドが橋渡し役になるというわけだ。
支え棒で固定されたレンズが目の前にある状態で、顔を上げて部屋を見回すことは、アイトラッキング機能を備えたディスプレイ搭載コンタクトレンズを装着することとは違う。今回のデモを受けた後でも、Mojo Visionのレンズを実際に装着する体験がどのようなものなのかは、依然として不明である。しかし、2020年1月に体験した前回のデモと比較しても、今回、インターフェースがレンズ上で機能する仕組みを確認できたことで、この体験がより現実味を帯びてきたように感じる。
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