電通グループ、シビラ、ソニーの3社は3月18日、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)で個人の学びや活動実績をデジタル化し、クレデンシャル管理する実証実験を共同で実施すると発表した。
クレデンシャルとは、ユーザー認証に用いる情報のこと。今回の実験におけるクレデンシャルは、公開鍵暗号方式における一対の鍵のうち、持ち主によって秘密に保持される“秘密鍵”になるという。仮想通貨をはじめとしたデジタルアセットの取引に必要な情報となり、その秘密鍵をICカード型ハードウェアウォレットで管理することで、実績情報のセキュリティを担保するとしている。
今回の実験では、個人の活動実績をNFTとして表現することの実現性や、ICカード型ハードウェアウォレットによるNFT化の利便性、実績情報のセキュリティを担保するクレデンシャル管理サーバーの有効性、デジタルアイデンティティ型NFTの流通基盤の構築の実現性などについて、課題の精査と分析、検証を行う。
具体的には、メディアアーティストの落合陽一氏による特別カリキュラム「Table Unstable - 落合陽一サマースクール2022(山口編)」(4月29日〜5月1日)において、参加する小学4〜6年生を対象に、受講終了後の卒業証明書をNFTで発行する。
参加者は、認証用スマートフォンアプリを起動し、ICカード型ハードウェアウォレットをリーダー/ライター機能を搭載したスマートフォンにかざすことで、受講実績を証明できるようになる。
将来的には、NFTで実績証明を行い、その実績に応じたインセンティブとして、大学入学や留学、就職などで活用できるようにすることを目指すという。
加えて、知識のインプット重視からアウトプット重視へとシフトしつつある教育分野に着目。NFTにより学びの軌跡を可視化することで、従来の試験のような一律評価だけでなく、多角的な要素で子供の個性を認識できる、教育のエコシステム形成を目指すとしている。
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