近い将来に多くの人の生活を変えるような機能を求め、スマートフォンの最新トレンドを追い続けることは、ある種の罪なのかもしれない。
最先端を追うことの弊害は、一部のユーザーを見落としてしまうことだ。この人々が求めているのは最高のテクノロジーではない。これからの数年間、仕事や恋人、友人とのコミュニケーションに使えるスマートフォンを、そこそこの価格で手に入れることだ。
このニーズを完璧に満たしているのがAppleの「iPhone SE」だ。Appleは先日、この財布に優しいiPhoneの最新版となる、新型iPhone SE(第3世代)を発表した。
この5日間、私は新型iPhone SEをメインのスマートフォンとして使っている。それまで使っていた「iPhone 13 Pro Max」や、その(iPhone SEと比べれば)巨大な6.7インチのディスプレイとの違いにとまどうことはあっても、久しぶりの小さなiPhoneは扱いやすく快適だった。レビューの結論を一言で言うなら、新型iPhone SEは「使って楽しい端末」だ。
デザイン面では特に言うことはない。新型iPhone SEのデザインは2020年発売のiPhone SE(第2世代)と同じで、「iPhone 8」がベースとなっている。つまり解像度1334x750の4.7インチRetinaディスプレイを搭載したiPhoneだ。
ディスプレイの上部と下部にある大きなベゼルは、端末の前面がほぼディスプレイとなっている最近のiPhoneを見慣れた目には新鮮に映る。
ディスプレイの下部にはAppleの象徴とも言うべきホームボタンがあり、「Touch ID」を使ってロックを解除したり、「Apple Pay」での買い物を承認したり、アプリにサインインしたりすることができる。
ディスプレイの上部には、700万画素の前面カメラとスピーカーが配置されている。端末の側面は丸みを帯び、角張ったシルエットの「iPhone 13」とは対照的だ。
電源のオン・オフやスリープの解除、ロックは、端末の右側にあるサイドボタンで行う。端末の左側には音量調節ボタンとミュートスイッチ、底面には充電や同期のためのLightingコネクターがある。
背面には、1200万画素の広角カメラとフラッシュが1つずつ搭載された。背面パネルとディスプレイに使われているガラスは、iPhone 13の背面に使われているものと同じで、スマートフォンに使われているガラスの中では最も強度があるとAppleは説明している。ただし、iPhone 13の画面に使われている「Ceramic Shield」ガラスとは別物だ。
新型iPhone SEには3種類のカラーバリエーションが用意された。ミッドナイト(黒)、スターライト(白)、そして(PRODUCT)RED(赤)だ。私はスターライトを使っているが、とても気に入っている。
残念だったのは、背面に「MagSafe」が搭載されなかったことだ。現在のMagSafeはiPhoneの充電だけでなく、さまざまな機能を持つようになっている。Apple純正のMagSafeウォレット、MomentのMagSafe対応マウント、「iPhone 12」や「iPhone 13」用の多彩なケースなど、MagSafeに対応したアクセサリーは多い。
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