新型「iPhone SE」レビュー:「13 Pro Max」並みの速さで価格は半分に - (page 2)

Jason Cipriani (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2022年03月17日 07時30分

パフォーマンス

 デザイン面では目新しい点のない新型iPhone SEだが、中身は大きく変化している。まず、プロセッサーにiPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」が採用された。A15 Bionicは6コアCPUで、2つの高性能コアと4つの高効率コアに加え、4コアのGPUと16コアのNeural Engineを搭載する。AppleはiPhoneの内蔵メモリーを公表しておらず、言及することもないが、iPhone SEの内蔵メモリーは4GBだと私は確信している。

iPhone SE
提供:Jason Cipriani/ZDNet

 私はPCであれ、タブレットやスマートフォンであれ、デバイスの総合的な性能の評価にベンチマークを使うことが好きではない。しかし新型iPhone SEに関しては、同じプロセッサーを搭載したiPhone 13 Pro Maxや、Googleが独自開発した第1世代の「Tensor」プロセッサーを搭載した「Pixel 6 Pro」との性能差に興味があった。

 そこで、この3台を対象に「Geekbench 5」ベンチマークを使ったCPUテストを実施した。その結果、シングルコアとマルチコアのスコアはそれぞれ、Pixel 6 Proが932と2139、iPhone 13 Pro Maxが1741と4316、iPhone SEが1731と4466となった。これはiPhone SEの方が、GoogleのフラッグシップモデルPixel 6 Pro(899ドル、日本では税込11万6600円)より2倍近く速いことを意味する。なかなか衝撃的な結果ではないだろうか。別の言い方をすると、iPhone SE(429ドル、同5万7800円)とハイエンドモデルiPhone 13 Pro Max(1099ドル、同13万4800円)の速さは変わらないということになる。

 私の体感でも、新型iPhone SEの速度は(私のメインのスマートフォンである)iPhone 13 Pro Maxと同等に感じる。処理速度の速さは、アプリの起動時やマルチタスクの処理時だけでなく、カメラモードを切り替える際にもはっきりと感じられた。

 A15 Bionicを採用したことで、処理速度が上がっただけでなく、5G接続も可能になった。といってもミリ波(mmWave)ではなく、Sub-6のみの対応だ。私が住んでいる地域ではAT&Tがまだ5Gを開始していないので、5Gが新型iPhone SEのバッテリー持続時間に与える影響は分からない。新型iPhone SEがミリ波に対応していないことを残念に思う人もいるかもしれないが、個人的には、ミリ波非対応は大した問題ではないという米ZDNetのスタッフエディター、June Wanの意見に賛成だ。もしiPhone SEの価格が現在の倍なら、ミリ波非対応に文句を付けたくもなるだろう。しかし429ドルなら問題はない。念のために説明すると、ミリ波とは現在利用可能な5G通信の中で最も高速な通信方法だ。しかし通信可能なエリアが限られ、なかなか広がらないという問題を抱えている。また、電波塔と近接している必要がある上に障害物の影響を受けやすく、建物の窓はもちろん、場合によっては木でさえ通信の妨げになる。

【更新:3月24日午前10時12分】iPhone SEのベンチマークスコアを当初「1731と466」としておりましたが、正しくは「1731と4466」です。訂正してお詫び申し上げます。

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