パナソニックは3月4日、兵庫県洲本市と地域社会における課題解決の促進と持続的な地域社会の発展を目的として、洲本市が推進している「洲本市25%ごみ減量化作戦」の達成に向けて共同で取り組んでいくことで合意し、協定を締結したと発表した。
これに基づき、洲本市において生ごみ処理機を用いたごみ減量化とフードシェアリングサービスの提供に関する共同実証実験を実施する。
生ごみ処理機を用いたごみ減量化では、家庭から排出される生ごみ削減のため、市民宅に設置した生ごみ処理機にて処理した乾燥ごみの活用検討および、ごみ減量化に向けた意識向上調査を実施。
フードシェアリングサービスの提供では、飲食店・小売店などで発生している本来食べられるにもかかわらず廃棄される予定食品の削減を目的とし、消費者をマッチングさせることで食品廃棄を減らすフードシェアリングサービスを検討する。
同社によると、日本のごみ総排出量は4274万t(東京ドーム約115杯分)、1人1日当たりのごみ排出量は918gと共に横ばいにあるという。
ごみ処理事業経費はわずかに減少しているものの、依然として2兆円を超える金額であり、各自治体の大きな負担となっている。また、高齢化の加速に伴ってごみ搬出が困難になる家庭の増加も想定されており、ごみの減量化は各自治体において大きな課題だという。
ごみ減量化の阻害要因のひとつであるフードロスについても、ここ数年は国内でほぼ横ばい状態が続いており、SDGsが掲げる「2030年世界全体の一人当たりの食料廃棄半減」実現に向けては、まだ対策が必要な状態にある。
現在、洲本市は1人1日当たりのごみ排出量を、2016年度の659gから2022年度には500g(24.1%減)に削減する目標を掲げて取り組んでいる。
共同実証実験では、洲本市が実証実験の実施とデータ提供を担当。市民モニターの選出とモニターへのアンケート調査も実施する。
加えて、市の関連媒体を利用した広報および、イベントなどでの情報発信を行うほか、飲食店や小売店などへのコーディネートも担当する。
同社は、生ごみ処理機を提供するだけでなく、生ごみ処理機を活用したサービスの提案(食農循環プラットフォームなど)を行うなど、同プロジェクトのトータルサポートを行う。
さらに、飲食店や小売店などと消費者が利用するフードシェアリングサービスの提供と管理運営を担当。地域が抱える課題の検証と解決に向けた具体的な取り組み推進し、実施にむけた民間企業支援していくという。
今後、両者は共同実証実験を通じて生ごみ減量や住民ひとりひとりのフードロスに対する意識改革を図るとともに、ごみをなるべく排出しないライフスタイルの実践につなげいくとしている。
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