クボタ、日本電気(NEC)、南西糖業、南西サービス、鹿児島県大島支庁徳之島事務所農業普及課の5者は3月2日、共同で鹿児島県徳之島におけるサトウキビ栽培のスマート農業の実証実験を開始したと発表した。実験期間は2月から2年間。
鹿児島県徳之島の農地面積は、奄美群島中最大の約7000haに及び、島の面積の約28%を占めている。その徳之島の基幹作物であるサトウキビは、収穫後の時間経過に伴って品質が低下していくため、収穫後速やかに製糖作業を行う必要があり、製糖工場では稼働計画に収穫作業状況を反映させたいというニーズがあるという。
しかし、現状では収穫作業の稼働状況をタイムリーに把握・共有できていないため、製糖工場ではサトウキビ搬入量の予測が難しく、当日の操業予定時間を長めに設定せざるを得なかったり、操業に必要なサトウキビが搬入される迄の待機時間が生じたりするなどの影響が出ている。
今回開始した実証実験では、約3000haのサトウキビ農地を管理する南西サービスと協業し、サトウキビ収穫機の稼働情報をクボタの営農支援システム「KSAS」に送信。機械の位置情報や稼働時間のデータが収穫作業の進捗状況の把握に役立つかを検証する。
また、サトウキビの単収向上のためには、生育初期の状況を迅速かつ的確に把握し、補植などの追加作業を行う必要がある。現状では、目視で生育状況の確認を行っていることから、NECの農業ICTプラットフォーム「CropScope」を活用し、衛星・ドローンで撮影した画像のAI解析などによる初期生育状況の把握や収量予測も実施する。
5社は、同実験を通じてサトウキビ生産者や製糖事業者の課題解決に必要なデータを収集・蓄積。収量・品質の安定化や製糖工場の最適な運営に貢献する、データを活用したサトウキビ栽培の確立を目指すという。
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