Qualcommはバルセロナで開幕したMobile World Congress(MWC)2022で、TikTokを運営する字節跳動(バイトダンス)との新たな提携などを発表した。
両社はこの提携を通じて、クロスリアリティー(XR)の開発で協力する。XRは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)など、空間コンピューティングまたはメタバース関連技術の総称だ。バイトダンスは2021年にVRヘッドセットメーカーのPicoを買収しており、それを足がかりにXRおよびメタバースへ進出することとなる。
Qualcommはすでにこの分野ではMetaという重要なパートナーを獲得しているが、XR開発の提携先を1社のみに絞るつもりはないようだ。「メタバースへの案内役」としての立場を強固なものにしたいと、同社はMWCでのプレゼンテーションで述べた。
そのほかQualcommによる発表の目玉は、人工知能(AI)を統合した初の5Gモデムおよびアンテナシステム「Snapdragon X70」だ。AI機能は、Sub6帯域およびミリ波における通信速度、カバー率、レイテンシー、電力効率を改善することで、5G性能を強化するのに役立つ。同製品は「Snapdragon 8 Gen 1」チップセットに続いて年内にも登場するとみられる。
Qualcommはオーディオ技術の強化も継続しており、MWCでは「Snapdragon Sound」の最新機能を複数発表した。新たに加わる16ビットのロスレスBluetoothオーディオ機能は、ワイヤレスイヤホンでCDクオリティーの音質を実現するという。ほかには、イヤホンでのステレオ録音、ゲーミングにおけるレイテンシーの25%削減、および第3世代「Adaptive Active Noise Cancellation」といった機能も追加される。
これらQualcommの発表すべてに関係するのが、「Snapdragon Connect」バッジの開始だ。この認証は、デバイスがクラス最高の5G、Wi-Fi、Bluetooth技術を搭載することを消費者に知らせるもので、業界トップクラスの接続性能を示す。Snapdragon Connectが認証するのはスマートフォンだけにとどまらず、ノートPC、自動車、AR/VRヘッドセットを含む製品カテゴリーにも用いられる見込みだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)