2021年にTwitterとFacebookから追い出されたDonald Trump前米大統領が、新たなソーシャルメディアの拡声器を立ち上げた。だが、その実態はまだ不明だ。
同氏の企業、Trump Media and Technology Group(TMTG)は米国時間2月20日夜、ソーシャルメディアアプリ「Truth Social」をAppleの「App Store」で公開した。このアプリをダウンロードした人の中には、アカウント作成段階でエラーメッセージが表示されたり、長いウェイトリストに並ばされたりした人もいる。
不具合のあった立ち上げにもかかわらず、Truth SocialはAppleの21日付の米国における無料アプリランキングで、HBO Max、TikTok、YouTube、Instagram、Facebookを差し置いての首位に立った。23日になっても、Truth Socialはまだ1位のままだ。だが、The New York Timesは、23日朝時点でのこのサービスでのTrump氏のアカウントのフォロワー数は、およそ5万人だと報じた。同氏のフォロワーは、Twitterでは約8900万人、Facebookでは約3400万人だった。
アプリ市場分析を手掛けるSensor Towerは、23日時点のTruth Socialのインストール数を41万2000件と推計した。このアプリのユーザー数は、立ち上げから何年もたっているFacebookやTwitterなどのプラットフォームよりもまだ少ない。
アプリ概要には、「Truth Socialは他(のSNS)とどう違うのか?! われわれは、政治的差別から解放されたソーシャルメディアプラットフォームだ」とある。既存のソーシャルメディア企業はかなり前から、保守的な言論を意図的に検閲しているという主張を否定し、ヘイトスピーチや暴力の扇動に対する規則があるだけだと主張している。
Truth Socialについて分かっていることを以下にまとめた。
FacebookやTwitterなどのプラットフォーム企業は2021年、当時現職の大統領であったTrump氏をサービスから締め出すという異例の動きをした。同年1月6日に発生した議事堂襲撃の後、同氏の発言がより多くの暴力を扇動する可能性があるという懸念に基づく決定だった。Trump氏は2020年の米大統領選でJoe Biden氏が勝利した後、選挙に不正があったという根拠のない主張をするために、これらのサービスを利用した。
これらの企業がTrump氏のアカウントを凍結したことで、同氏はTwitterでのフォロワー約9000万人およびFacebookでのフォロワー約3500万人へのリーチを失うことになった。
TMGTは2021年10月、Truth Socialを2022年第1四半期に立ち上げると発表した。Trump氏は当時のプレスリリースで「ビッグテックによる専制政治に立ち向かうために、Truth SocialとTMGTを立ち上げた」としていた。
アプリのデザインは、Twitterのクローンのようだ。ユーザーは自分が誰をフォローしているかを表示するプロフィールを作成できる。ツイートに当たる投稿は「Truth」と呼ばれ、ユーザーはTruthにコメントしたりシェアしたり、いいねしたりできる。アプリにはTwitterのタイムラインに当たるフィードがあり、そこで他のフォロワーの投稿を読める。画像や動画、ニュース記事をシェアすることも可能だ。
アプリの概要によると、ダイレクトメッセージ(DM)、ダークモード、プッシュ通知機能もある。
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