MONET Technologiesは2月21日、群馬県沼田市内全域で、AIデマンドバスの運行を開始すると発表した。
同社の配車システムや予約アプリなどを活用し、3月25日以降、決められた路線を時刻表通りに運行する定時定路線型バス「ぬまくる」を、予約があった場合のみ指定の停留所間を運行する「デマンド型」で運行する。
公共交通のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、市民の移動の利便性向上と、市内の交通空白地域の解消を目指す。
市内をAエリア(旧沼田市)、Bエリア(白沢町、利根町南部)、Cエリア(利根町北部)の3つのエリアに分け、各エリア内を移動可能なAIデマンドバスとして運行する。
対応するのは、主要公共施設、スーパーマーケット、医療機関、ごみステーションなど500カ所に設置した停留所。車両台数(定員)は、Aエリアが4台(定員10人)、Bエリアが1台(定員14人)、Cエリアが1台(定員14人)となっている。
利用する場合は、乗車希望日の1週間前から当日の乗車希望時刻の1時間前までに、同社が提供するスマートフォンアプリでの予約、もしくは電話での予約が必要。同一エリアの停留所間であれば、一律の運賃(1乗車400円)で自由に移動できる。また、障がい者や小児などの運賃については、路線バスの割引に準じるとしている。
加えて、運行データを集積して可視化するツールを導入。利用者の多い季節や時間帯、場所といった市民の移動需要を把握することで、バスの運行の最適化に加え、道路計画などのまちづくり施策への活用を図るという。
運行開始から約1年間を実証実験と位置付けているが、その後も運行は継続する予定。
なお、デマンド型のぬまくるの運行時間は、路線により異なる。例えば、「根利尾瀬高校線」「佐山線」「南郷線」「岩本線」は、平日と土曜の午前9時~午後5時のみ。通勤、通学利用が多い朝や夕などのそれ以外の時間帯は、従来通り定時定路線型で運行するという。そのほか、「奈良秋塚循環線」「川田線」「宇楚井原線」「沼須線」はデマンド運行に全面移行するとしている。
沼田市では、市民の移動を支えるために路線バス10路線をぬまくるとして委託運行しており、利用者の需要に応じて運行経路の見直しやダイヤ改正などに取り組んできた。
今後、同社と沼田市は、デジタルデバイド(情報格差)の解消と、スマートフォンアプリによる乗車予約の促進を目的に、市内の各地域でソフトバンクと連携してスマホ教室を開催する予定。加えて、アプリ上で地域の飲食店やスーパーマーケットのクーポンを配信するなど、地域の活性化に向けた取り組みも実施する。
将来的には、「利根沼田地域定住自立圏」を形成する近隣の自治体と連携、協力して地域間の交通ネットワークを整備し、圏域住民の移動の自由を維持、確保するよう努めていくとしている。
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