サムスンは「CES 2022」の基調演説で、持続可能性といくつかの家庭用デバイスをアピールしたが、真の次世代技術を披露するのはブース向けに残しておいた。同社のディスプレイ部門がそこで展示したのは、開発中の複数の折りたたみ式コンセプトだ。今後、新たなスマートフォンやタブレットのデザインにつながる可能性がある。
平らで、おおむね似たような外観のスマートフォンの時代が10年余り続いた後だけに、新しいデザインには興奮させられる。現在販売されている平らでないサムスン製スマホは、「Galaxy Z Fold3」とクラムシェル型「Galaxy Z Flip3」だけだ。これら第3世代の折りたたみ式スマホは、コンパクトにもなる割に画面が大きいが、デザインとしては定番化している。今回披露された新コンセプトは、デバイスの大きさはそのままに画面を拡大するという目的に対する、これまでとは異なるアプローチを示すものだ。
しかも、すでに画面とOSが使える実際に機能する製品に仕上がっているようで、これらが次世代のフレキシブルディスプレイ端末となる見込みは、TCLやその他のメーカーが打ち出している折りたたみ式コンセプトより高いようにも思える。
サムスンのディスプレイ部門は今回、CESの展示ブースで4つのコンセプトを披露した。「Flex S」はS字型に折りたたまれ、ディスプレイの一部が外側に残る。「Flex G」も2カ所にヒンジがあるが、左右を中央に向かって折りたたむため、画面がすべて内側に収まる。
「Flex Note」はヒンジ1つの従来型に近いデザインだが、タブレットサイズに2つ折りされたデバイスを広げると、それなりの大きさを持つPCディスプレイに近いサイズのフラットディスプレイが出現する。サムスンの動画を見ると、このデバイスはディスプレイの下半分がタッチコントロール化され、ノートPCのようになっているのがわかる。Galaxy Z Flip3のサイズをノートPC並みに大きくしたい人にとっては魅力的だろう。ただし、このようなコンセプトの製品化では、ASUSTeK Computerの「Zenbook 17 Fold OLED」が先行している。
4番目のコンセプト製品は「Flex Slidable」で、一見すると普通のスマートフォンのようだが、ディスプレイの右側が横に広がる。動画を見ると、画面が数センチ伸びるだけだが、アプリアイコンを2列に並べられるほどのスペースが生じる。そのため、ユーザーはホーム画面に戻ることなく、アプリを切り替えられるだろう。
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