Googleの「Android」責任者を務めるHiroshi Lockheimer氏は、Appleに「iMessage」をAndroid向けに提供してほしいのではなく、Androidで採用しているメッセージ規格「Rich Communication Services(RCS)」をiMessageでサポートしてほしいという主張をあらためて強調した。
RCSはSMS規格の現代版で、AppleのiMessageではサポートされていない(SMSはサポートされている)。
The Wall Street Journal(WSJ)は米国時間1月8日の記事でこの技術的な差異を取り上げ、米国の10代ユーザーの間で、iMessageのグループチャットを使う際にAndroidユーザーが疎外されている実態を詳しく紹介した。iMessageでは、「iPhone」ユーザーからのメッセージは青のバブル(吹き出し)で表示されるのに対し、Androidユーザーからのメッセージは緑のバブルで表示される。
Lockheimer氏はこの記事を受け、Appleの「iMessageによる囲い込み」は、「仲間からのプレッシャーやいじめを、製品を販売するための手段として利用する」ものだと述べ、iMessageがRCSをサポートすればこの問題が修正されると提案した。
Apple’s iMessage lock-in is a documented strategy. Using peer pressure and bullying as a way to sell products is disingenuous for a company that has humanity and equity as a core part of its marketing. The standards exist today to fix this. https://t.co/MiQqMUOrgn
— Hiroshi Lockheimer (@lockheimer) January 8, 2022
同氏は10日、さらに説明を加え、「われわれはAppleに対し、iMessageをAndroidで利用可能にすることを求めているのではない。われわれはAppleに対し、旧式のSMS/MMS規格をサポートするのと同じように、現代的なメッセージングの業界標準規格(RCS)をiMessageでサポートすることを求めている」と、ツイートした。同氏は2021年にもiMessageでRCSをサポートできるように支援する考えを明らかにしていた。
The Vergeが報じたように、AppleとEpic Gamesの裁判で公開されたApple幹部らによる社外秘メールで、Appleは、iMessageをAndroidに提供すれば、「iPhoneを利用する家族が自分の子供たちにAndroidスマートフォンを持たせることに対する障害が取り除かれる」と懸念していたことが明らかになっていた。
Googleは、主要通信事業者と複数の契約を結び、中心となってRCSを推進しているが、RCSはまだ、SMSのような標準にはなっていない。その理由の1つは、Appleがこれまでのところ、それをiMessageでSMSのようにサポートすることを拒んでいることにある。
Lockheimer氏は、AppleがiMessageでRCSをサポートすることが、すべての人々にとって良い結果を生む理由をさらに挙げた。
「なぜこれが重要なのか。それは電話番号ベースのメッセージングが、いざというときの頼みの綱として機能することを、誰もが知っているからだ」と同氏は記した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス