グリーンカルチャーは12月21日、ミンチ状の植物肉の新製品として、牛肉のような風味を持つ「Green Meat Model S」と、加工に適した「Green Meat Model FT」を発表した。いずれも企業向けに出荷するもので、個人向けには販売しない。
Green Meat Model Sは同社のラインアップとしてはもっともハイエンドな植物肉で、価格は1パック500g、100gあたり240円でキロ単価は2400円前後(税別)。グリーンカルチャー 代表取締役の金田郷史氏は、「“S”はスペシャルを意味する。高価なもので、スペックとしては牛肉に近いような肉を再現した」と自信を見せた。
牛を感じさせる食味が特徴で、試食用のハンバーグに箸を入れるとそれらしい香りが漂ってくる。
Green Meat Model FTは、価格は1パック2kgで、100gあたり120円、キロ単価は1200円前後(税別)。食品メーカー向けの植物肉で、安価で作業性にも優れる。
なお、このほかに牛でも豚でも鶏でもない中立的な味付けの「Green Meat Model H」が存在する。「絵の具でいう白みたいな製品で、香りも強くない。特性がなにもないことが特性という製品。Model Hがあることで、ポーク寄りの肉や牛寄りの肉、ラム肉の再現もできる」とし、コア技術になると説明した。
同社では、植物肉のブームを受けて、小規模・中堅メーカーからの需要が急増しており、2021年度と比較した2022年度における問い合わせ実績では、226%に増加したという。「大豆ミートのハンバーグは、ミートと言われてもにおいが強く、味が合わないことがある。FTは流動性があって、肉のミンチと同様に作っているので、食品メーカーの加工や味を付けたりするメーカーの需要に応えられる」(金田氏)と説明した。
植物肉が先行する米国のアンケート結果では、なぜ植物肉を食べないのかという質問に対し、31%が「おいしくないから」と答えたという。「国内でも同じことが起きてしまうだろう。こうしたイメージを払拭していくには、クオリティが高い植物肉を作る必要がある」(金田氏)と危機感を語った。
グリーンカルチャーは、植物性ゆで卵「植物卵(しょくぶつたまご)」の開発を進めており、12月にプロトタイプを発表したばかりだ。
今後は、畜肉の代替にとどまらず、チーズやチャーシューなどあらゆる動物性食品の再現を目指すとしている。
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