三井住友カードとSB C&Sは12月16日、業務提携と、探し物トラッカー「Tile(タイル)」の機能を搭載した「Visaカード」となる「三井住友カード Tile」を共同開したと発表した。
ウェブサイトにて初回発行分の先行予約を開始しており、1月中旬以降に抽選で1500枚を順次発行する予定だ。
三井住友カード Tileは、Tileのスマートトラッカー機能を搭載する、世界初のクレジットカード。ICチップを搭載してタッチ決済に対応するほか、従来のクレジットカードと同サイズながら、物理スイッチとスピーカーを搭載。Tile同様、紛失時に役立つ機能を活用できる。
Tile機能で活用するために内蔵したという超薄型バッテリーは、カードの薄さ(0.76mm)に収めつつ、財布や鞄の中でも耐えられるよう、1000回以上の屈曲テストをクリア。加えて、新開発したEMVチップは充電端子も兼ねており、付属の専用充電器で2~3時間でフル充電すれば、最長半年間利用可能。なお、万が一充電が切れた状況でも、クレジットカード機能への影響はないという。
三井住友カード Tileの発行対象は高校生を除く満18歳以上で、年会費は1375円(税込)。初年度の年会費は無料だが、別途カードの新規発行手数料として5500円(税込)が必要となる。
クレジットカード機能の利用期間は5年で、Tile機能の保証期間は1年。なお、ATMや券売機など、カードを吸い込んで出し入れする端末では利用できない。また、キャッシングは非対応となる。
SB C&S CX事業本部 サービスデザイン本部で副本部長を務める本松晋作氏は、「ポイントの景品などとしてTileを売り込みにいった際に出たアイデアを数年かけて実現し、クレジットカードをIoT化できた」と説明した。
Tileは、紛失物や落とし物の発見をサポートするスマートデバイス。キーホルダー型、カード型、ステッカー型などをラインアップしている。
Bluetooth接続したスマホのアプリから鳴らしたり、接続したスマホを鳴らしたりできるほか、アプリから最後に接続した場所の確認も可能。スマートスピーカーに呼びかけて鳴らすこともできる。
Bluetoothの接続範囲外で音が鳴らせない場合も、「Tileコミュニティー」で探すことが可能。「探し物」として登録したTileが、ほかのユーザーのTileや、主要都市約3万台のタクシー、東急線全線88駅などに設置した「Tileアクセスポイント」などと接続できた場合、クラウド経由で位置情報を持ち主のスマホアプリに通知できる。
三井住友カード 常務執行役員 マーケティング本部長を務める佐々木丈也氏は、2020年12月に消費者庁が公表した、キャッシュレスの不安に関する調査を紹介。クレジットカードの決済件数、スーパーやコンビニといった日常利用における決済金額はコロナ禍でも伸長する一方で、不正使用被害やカードの紛失、盗難などへの高い懸念があると指摘した。
同社では2020年3月、ユーザー向けのスマホアプリ「Vpass」で利用を通知する「ご利用通知サービス」、利用のオンオフをアプリで切り替えられる「安心利用制限サービス」の提供を開始。
また、2021年2月にはカードの券面から番号をなくした「ナンバーレス 三井住友カード(NL)」、10月にはプラスチックカードを発行しないモバイル、EC決済専用の「カードレス 三井住友カード(CL)」をリリース。安心、安全に対する取り組みを推進しているという。
「(三井住友カード Tileの活用で)財布にいれることが多いクレジットカードで、現金、免許証、保険証、マイナンバーカードといった大切な財産、個人情報などを守るという、日常生活におけるメリットも提供できる」(佐々木氏)
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