「Amazon Glow」は、多彩な機能を備えた存在感あるガジェットで、ある重要で心温まる仕事をこなしてくれる。5歳の娘をゲームで遊ばせて、1600km離れた所に住む祖父母とまるで同じ部屋にいるかのように会わせてくれるのだ。私は家族の協力を得て数週間にわたってAmazon Glowを試用した。その結果、プロジェクター、ビデオチャット、ゲームシステムを組み合わせたこのデバイスは、参加者全員の好評を得た。
Amazonは、「Zoom」などのビデオ会議サービスが普及する前にはどのテクノロジーもなし得なかった形で、私たち家族をつないでくれた。
その大きさと価格を見て、このデバイスを未就学児に使わせることをためらう人もいるだろう(Glowの対象年齢は3歳以上)。Amazon Glowはタブレット、カメラ、プロジェクターを合体させた、高さ約35cmのタワー型デバイスで、価格は299.99ドル(約3万4000円)、重さは1.8Kgに達する。子どもはテーブル上に置かれたGlowを使って、あらかじめ登録しておいた家族や親戚、友だちとビデオ通話をしながら、カードゲームやパズル、絵本、らくがきを楽しむことができる。Glowの映像はすべてテーブル上に投影され、8インチのディスプレイに表示されるのは通話相手の顔だけだ。そのため、まるで相手が目の前に座って、一緒にゲームをしたり、本を読んだりしているかのように感じられる。
Glowの購入を検討する場合、このガジェットが想定するメインのユーザー層は、小学校に上がる年齢の子どもたちであることを忘れないでおこう。Glowはアプリストアのあるタブレットと異なり、できることは限られている。(Amazonは今後もコンテンツを随時追加するとしているが)この製品のコンセプトに飽きてしまえば、子どもたちがGlowを使わなくなる可能性はある。子どもについては万事がそうだが、変化が早い。
実際に使ってみて感じたのは、小さな子どもが使う場合、Amazon Glowの大きさと重さがむしろメリットになるということだ。娘の場合、この大きなデバイスがテーブルにどっしりと置かれている時の方が、ビデオ通話での会話は長く続き、ゲームや読み聞かせにも30分から40分は集中できた。
私には2歳の息子もいる。Glowの対象年齢には達していないが、らくがきや、自分が知っている短い絵本(例えば「おやすみなさい おつきさま」)の読み聞かせなら楽しむことができた。息子がGlowでゲームをしている姉に手を出そうとした時も、奪い合いになるのは安価な白いシリコン製プレイマットか、その上に投影されたインタラクティブな映像であり、デバイス本体に危険が及ぶことはなかった。
Glowには「Amazon Kids+」のサブスクリプションが1年分ついてくるため、3000冊以上の本と約12種類の簡単なゲームをGlow上で利用できる。用意されたパズルゲームの中には、大人でも楽しめるものがある。
一番人気は「タングラム」だ。正方形、ひし形、三角形のパーツを並べて、さまざまなシルエットを作っていくパズルである。Glowには、色々な形のプラスチック製パズルパーツが同梱されており、子どもがそのパーツをプレイマット上に置くと、その場所をプロジェクターとソフトウェアが読み取る。このパーツはビデオ通話の相手もバーチャルな形で持てるため、子どもと競争したり、協力したりして、シルエットを完成させることができる。
本を選ぶときも、子ども自身がトピックや題名で検索したり、画面をスクロールして表紙から選んだりすることができる。本のラインアップは充実しており、最近のものから過去の名作まで、定番が揃う。本のトピックや難易度はさまざまだが、文字がメインのものはない(Glowは小さな子ども向けだということを思い出してほしい)。個人的には、歴史や科学の本、マンガの品揃えが気に入った。スペイン語の本もかなりある。
ただ、Glow用に作られた本は現時点では数えるほどしかない。このタイプの本は、ページ上のイラストが動いたり、読み聞かせをする祖父母の顔にとつぜんアニメが表示されたりする。
一部のアクティビティーについては可能だ。Glowはビデオ通話をしていなくても使える。すべての本は子どもが1人で開いて読むことができ、チェッカー、チェス、ジグソー、タングラム等のパズルもシングルプレイが可能だ。ただし「Go Fish」「Paddle Battle」「Charades」のような対戦型ゲームは、ビデオ通話の相手がいないとプレイできない場合がある。
らくがき機能も子ども1人で利用できる。娘の場合、ビデオ通話をしていない時の方が落ち着いてらくがきができると感じたようだ。私が子どもの頃はMicrosoftの「ペイント」ででたらめの絵を描いて楽しんだが、現代の娘はマウスではなく指を使う。できあがった絵はデバイスに保存される。保存したデータを送信する機能はないが、ビデオ通話の最中にタブレットでスクリーンショットを撮れば、祖父母も孫の絵をデジタル形式で保存できる。
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