南海電気鉄道は12月13日、「Visa」のタッチ決済を利用した乗車料金が無料になる「Visaのタッチ決済で、南海電車が実質無料で乗れちゃうキャンペーン」を実施すると発表した。
12月25日、Visaのタッチ決済を利用できる16駅で、Visaのタッチ決済対応カードで改札機を入出場したすべての乗客の運賃を100%引き、無料にするという。
同社と南海りんかんバス、三井住友カード、QUADRAC、 ビザ・ワールドワイド・ジャパン、小田原機器の計6社は、南海電鉄16駅、32の改札と、高野山内の路線バスで、Visaのタッチ決済による入出場の実証実験を実施している。
これまでの約9カ月間の実証実験では、改札での運賃支払いシステムの運用における検証に加えて、クラウドサービスのメリットを生かした運賃割引(キャッシュバック)などの柔軟なサービスを各種キャンペーンとして実施。これらの施策が、利用者の増加や定着に寄与することを確認できたという。
また、実証実験期間中、QRコードを活用したデジタルチケットを「南海デジタルチケット」と称し、「時差通勤応援きっぷ」(オフピーク回数券)、「なんばパークスシネマきっぷ」(往復乗車券+商業施設の連携)、「高野山デジタルきっぷ」の3種類を発売。
企画乗車券の企画設計から発売、利用までの検証や複数の事業者にまたがる商品をワンストップで購入できるサービスの提供などによって、本格導入に向けた課題や解決方法の知見を集めることができたとしている。
一方、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言などの対応措置により、当初の目的として掲げていたインバウンド旅客を中心とした利用者の利便性に関する仮説の検証ができていない状況が続いているという。12月12日の終了予定を2022年12月11日まで延長、データを検証し、インバウンド旅客に対する受け入れ基盤の整備を推進することになった。
今回実施するキャンペーンは、この約1年間の実証実験延長を記念して実施する。
対象駅は、難波(2F中央改札口、3F北改札口)、新今宮(4F)、天下茶屋、堺(東口)、泉大津、和歌山市、りんくうタウン、関西空港、堺東(西出口)、三国ヶ丘、金剛、河内長野、橋本、九度山、高野下、高野山の16駅。始発列車から最終列車まで適用する。
システムの都合上、改札機通過時には正規の運賃が表示されるが、後ほど返金処理するという。
なお、同社によると、本格導入へ向けたさらなる検証として、南海電鉄からの乗り継ぎ利用を想定した各種実証実験の検討を進めており、2022年春を目指して、南海グループである泉北高速鉄道の参画や対応駅の拡大を計画しているという。
また、三井住友カードと協力し、鉄道で三井住友カード発行の「Visaカード」を利用のうえ、同一カードを「なんばCITY」「なんばパークス」でも利用すると、抽選で150人に購入金額の20%(上限2000円)をキャッシュバックするキャッシュバックキャンペーンも実施する。
鉄道の利用については、商業施設利用の前後どちらでも対象。また、買い物、食事のいずれの利用でも抽選の対象になる。
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