労働問題、独占禁止法、コスト増--2021年のアマゾンの苦難を振り返る - (page 2)

Laura Hautala (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年12月16日 07時30分

 労働組合を目指す動きが始まったのは、施設拡大に伴ってAmazonに重くのしかかる従業員不足の中でのことだった。従業員の不足と不満の広がりを受けて、Amazonは14項目からなる原則に、「Strive to be Earth’s Best Employer」(地球最高の雇用主を目指す)という新たな信条を追加することになった。

 メディアへの声明でも倉庫の求人広告でも、Amazonは時給18ドルの平均初任給、健康保険、学位や証書取得のための学費負担などを強調している。The Wall Street Journalの最近の記事によると、Amazonは各施設での離職率が高いにもかかわらず、今や全米で2番目に大きな雇用事業主となっており、国内の競合企業の中では賃金を押し上げている方だという。

 Amazonは、アラバマ州での最近の決定について遺憾の意を表明した。その声明で、労働法に違反したとするNLRBの判断には触れていないが、12月中に上訴に踏み切るとみられている。

 全般的に、Amazonの公式コメントは軟化しており、これまで政治家や評論家に対してとってきた攻撃的なトーンは控え目になってきた(配送のドライバーが、あまりの激務のためにペットボトルで用を足しているとMark Pocan下院議員が指摘し、Twitterで奇妙な応酬が続いた挙句に、Amazonはその指摘を認めざるを得なかった。そうした経緯もある)。

 今ではAmazonも、完璧ではないが改善を目指しているという点を強調するようになってきた。公式の場でJassy氏は、従業員のためにさらに尽力できるだろうと語っている。そのうえで、コロナ禍でのポリシーを適用した結果、人事システムでの休暇申請や復職の処理で従業員に迷惑をかけていることも認めた。

収益の問題

 Amazonは、コロナ禍に入ってから最初の1年半、いわゆる巣ごもり需要によって売上高が急増した。だが、ここからその収益レベルまで戻るのは容易なことではなさそうだ。2021年第3四半期の利益が急減したことについて同社は、コロナ禍が小休止して消費者が外出するようになり、配送利用が減ったことに一因があるとしている。また、コスト増で利益が目減りしたともいう。

 コロナ禍に入って、Amazonは大量のオンライン注文をさばくために、業務施設を倍増し、新しい倉庫と空輸ハブも多数新設した。だが、秋の時点で一部の施設に従業員不足が生じていた、と同社の最高財務責任者(CFO)を務めるBrian Olsavsky氏は10月、投資家に向けて説明している。その結果、処理できる従業員がいる拠点に商品を移送しなければならなくなったのだ。Olsavsky氏は、ホリデーシーズンに入っても、この問題が引き続きコスト増の原因となるだろう、としている。

 従業員の採用と維持に要するコストも増えている。Amazonは、ホリデーシーズンに向けて新たに15万人の採用を目指しているため、高い賃金と契約時ボーナスの負担が発生するからだ。

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