Amazonのマーケットプレイスに表示されるすべての情報を鵜呑みにしてはいけない。そこでは、商品が5つ星システムで評価され、好意的なレビューが多いブランドは競合他社よりも注目を集めやすくなる。Amazonは、偽レビュー問題の存在を認めているが、利用規約違反であるにもかかわらず、何らかの見返りと引き換えに商品の好意的なレビューを投稿するよう促す組織的な取り組みは、他のウェブサイト上で行われており、同社はそれを撲滅するのに苦労している。
Amazonはこのような行為を厳しく取り締まっており、規約に違反した販売業者を見つけた場合は、マーケットプレイスから追放している。5月には、AUKEYおよびMpowというメーカーが報酬付きレビューの企てに関与していたとの報道を受けて、両社の電子機器をマーケットプレイスから削除した。また、Amazonは、偽レビューとそれらを投稿するアカウントの削除にリソースを投じていることも明かし、2020年には、偽レビューの疑いがある2億件のレビューを投稿前にブロックしたとしている。同社の広報担当者によると、報酬付きレビューに対する措置のうち、99%は商品ページへの掲載前に講じられたという。
「Amazonで買い物をする利用者に、レビューに書かれた内容は真実であり、商品と関連があると信じてもらえるようにしたい」(Amazonの広報担当者)
Amazonにとって、この問題の解決を困難にしている要因は他にもある。偽レビューの企てが多くの場合、同社が管理していないソーシャルメディアサイト上で行われているということだ。
以下で、こうした企てがどのような仕組みになっており、首謀者たちがどのようにその活動を続けているのかを解説していく。
買い物客がAmazonアカウントにログインして、購入したいものを物色するとき、最初に注目するものの1つが商品の5つ星評価だ。世界中の非常に多くの業者が同社のマーケットプレイスに出品しているので、それらの評価は、買い物客が聞いたことのないブランドの商品を信頼してもよいかどうか判断するうえで役立つ。
買い物客は、Amazonのトップセラーリストにいくつかのヒット商品があるブランドの魅力的なストレートヘアアイロンやキャビネット、コーヒーメーカー、歯ブラシなど(商品は何でもいい)を目にするかもしれない。そのブランドについてのレビューが好意的なものであれば、その買い物客は、普段なら有名ブランドから購入しているかもしれないその商品を信頼する可能性がある。
好意的なレビューが販売業者の成否の要となっているため、Amazonはこれらのレビューの信頼性を維持するために、販売業者が返金と引き換えにレビューを書いてもらうことを禁止している。
好意的なレビューを読んで商品を購入した正直な買い物客は、さまざまな方法で、偽レビューの企てに関与させられる可能性がある。例えば、1つ目のケースとして、Amazonのスマイルボックスに入った商品が届き、購入者はQRコードやウェブサイトのURLが印刷されたカードがあることに気づく。これはよくあることなので、驚く人はいないだろう。そのリンクにアクセスすると、通常のカスタマーサポートウェブサイトが表示される。この場合は何の問題もない。
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