自宅の裏庭でSnapの拡張現実(AR)メガネを試す機会をようやく得たので、同社のさまざまなAR「レンズ」を明るい屋外の光の中でテストしてみた。それを試した1時間ほどの時間は、開発者が現在のスマートフォン上での体験を凌駕するARをどう開発していくのか、という未来を駆け抜けるようにして見た気分だった。そして、開発者が作り出したいくつかの体験をバッテリーが切れるまで試すことができた。
人々が常時装着する未来のARメガネへの道には、さまざまな疑問が浮かぶ。ARメガネを使って実際に何をするのか。スマートメガネがスマートフォンよりも便利なものになれるのか。「Snapchat」を提供するSnapのような企業は、物理的なメガネよりも先に、スマートフォンARの開発を続けるアプローチをとってきた。すでにARメガネが開発者の手に渡っている今でも、Snapのそのアプローチは変わっていない。Snapは、自社のアプリ(Snapchatアプリのレンズなど)で現実世界をスキャンしてARを重ねるより多くの方法の開発に取り組んでおり、まだ消費者向けとしては完成していないARメガネの開発者たちに、ツールの一部を提供している。
おそらく、これは2022年に向けてARが進む方向性を示す有力なヒントなのだろう。Qualcommなど、競合他社のすべてがARメガネの最適解を見つけようとしているが、ARメガネがつながるのに最適なのは、依然としてスマートフォンということだ。
メタバースの概念があちこちで話題に上る中でSnapが出した答えとは、複雑化する一方のARツールやエフェクトを、同社のスマートフォンベースのソーシャルネットワークに重ねることだといえる。だが、Snapのアプローチには興味深いアイデアもある。独自の顔フィルターやARエフェクトを作って、他のアプリでも使えるようにすることだ。ユーザーのアバターだとか猫の顔だとかが、言ってみれば、アプリを越えて移動するようになるかもしれない。
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