PCの画面は、大きくて広いほど効率よく作業できる。ただし、机の上に巨大なディスプレイを何台も置くことは難しい。ましてノートPCは画面のサイズが限られてしまうし、拡張用の外付けディスプレイを常に持ち歩くことなど面倒だ。
これに対し、Appleはヘッドマウントディスプレイ(HMD)などで画面を仮想的に広げる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間11月25日に「CONTROLLING DISPLAYS」(公開特許番号「US 2021/0366440 A1」)として公開された。出願日は8月9日。
この特許は、ディスプレイが1台だけあるPCなどのデバイスにおいて、そのディスプレイの周囲に仮想的なディスプレイを表示して画面拡張する技術を説明したもの。たとえば、画面に表示されているマウスポインタや何らかのオブジェクトを動かし、物理ディスプレイの範囲外へ出そうになると、その方向に仮想的なディスプレイが生成され、マウスポインタなどが引き続き表示される。
仮想ディスプレイは、ユーザーの持つ別デバイスの画面に表示される。ユーザーは、この別デバイスを通して物理ディスプレイを見ており、物理デバイスの周囲に仮想ディスプレイと、そこに表示するオブジェクトを生成することで、物理ディスプレイが仮想的に拡張される仕組みだ。
実施例の図面では、実際に存在する物理ディスプレイをスマートフォンのような別デバイス経由で見ている。この別デバイスは、拡張現実(AR)や複合現実(MR)に対応するHMDのようなウェアラブルデバイスでも実現できる。
また、ユーザーに見せる物理ディスプレイは、本物のディスプレイをそのまま見せてもよいし、別デバイスの画面上に仮想的に表示しても構わない。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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