カリフォルニア州の司法長官は米国時間11月15日、Amazonが社内の新型コロナウイルス感染者数を従業員や地域の保健機関に開示しなかったとされる問題で、合意に達したと発表した。Amazonは、職場の安全性向上のために制定された同州の「知る権利」に関する法律に違反したと指摘されていた。
同州のRob Bonta司法長官によると、Amazonは和解条件に基づき、州内の倉庫従業員には1日以内、近隣の保健所には48時間以内に新規の新型コロナウイルス感染者数について通達しなければならない。また、50万ドル(約5700万円)を同州に支払う。
「わが国はパンデミックとの戦いを続けており、企業が従業員を守る役割を果たすことは間違いなく重要だ。とりわけ、このホリデーシーズンはそうだ」とBonta氏は発表の中で述べた。「カリフォルニア州民は自分自身、家族、コミュニティーを守るため、コロナウイルスへの潜在的な曝露について知る権利がある」(同氏)
Amazonの広報担当であるBarbara Agrait氏は「この問題が解決されたこと、司法長官が当社の社屋における安全策について実質的な問題を見出さなかったことをうれしく思う」と電子メールに記し、同社が150億ドル(約1兆7000億円)以上を従業員の安全確保のために費やしてきたことにも触れた。
同社はパンデミック下での倉庫および配送のスタッフの扱いについて、長期にわたり厳しい目を向けられてきた。2020年10月、同社は3月1日~9月19日までに現場従業員約2万人が新型コロナウイルス陽性と診断されたことを明らかにしたが、これは州司法長官や活動家の従業員から要請を受けた数カ月後のことだった。
Amazonにとって今回の情報公開は方針転換といえる。同社は数カ月にわたって州ごとの新型コロナウイルス感染者の数値を出すことを拒んでいた。
2021年9月、Amazonは2020年4月に解雇した従業員2名との労働争議で和解している。2人はパンデミック中の倉庫内の状況について、公の場で非難していた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」