新オープンのロケーションベースVRをレビュー--家庭用VRとの差別化は十分 - (page 3)

Russell Holly (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年11月29日 07時30分

 DreamWorks Dragons: Flight Academy:ヒット映画「ヒックとドラゴン」から飛び出したコンテンツ。勇敢なバイキングの戦士アスティが、ドラゴンの乗り方を新人に教育してくれる。アスティの指示に従えば、ドラゴンのトゥースや、仲間のヒックと一緒に冒険の旅に出られるだろう。誰でも楽しめること間違いなしのVRだが、動きが大きいので、VR酔いしやすい人は注意が必要かもしれない。

 Curse of the Lost Pearl:筆者は3つの中で、これが一番気に入っている。たいまつを手に、失われた財宝を求めて古代寺院を探検する。大人数の方が楽しめる世界で、すぐには忘れられそうにない冒険が待っている。

 Dreamscapeが実現している素晴らしい仕事のおかげで、どれを選んでも楽しい時間を過ごせる。3つの体験それぞれが、さまざまな客層を完全に魅了することを狙っているのは間違いない。どれもとびきり楽しく、装着したハードウェアも不自由を感じさせることは全くない。

 3つのいずれでも、そこで得る体験は、現実世界でも同じことを行っている。VRの中で、カプセルに手すりがあれば、手を伸ばして実際に手すりをつかむことができる。巨大な珍獣が、可愛がってもらおうと頭を寄せてきたら、皮の感触を感じながら頭部をなでたり掻いたりできる。ドラゴンが水の上を飛べば、おそらく少し濡れるだろう。物理的な接触を伴ってVRのストーリーを組み立てられるというのは夢のようであり、すべてがはるかにリアルに感じられる。Dreamscapeは、これを実現した最初の企業ではないが、現時点で他のほとんどの企業よりもそれに秀でている。

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提供:Russell Holly/CNET

ロケーションベースVRはこれからも続く

 米国全土でも、刺激的なグループ体験を提供しようとしているロケーションベースVR企業は何社かある。だが、筆者がここで体験した水準のものは他に例がない。Dreamscapeは、ユーザーがストーリーに入り込める水準に達している。キャラクターを演じるとか、稼いだキル数のトップを競うとかではなく、自分が物語の一部になったように感じられる。そして、映画館に併設されているので、映画が始まるまでの暇つぶしができるというアイデアは素晴らしく、最初から娯楽を求めてくる人の流れを確実に確保できるようになっている。1人あたりの入場料は、曜日や時期に応じて19.99ドル(約2300円)から23.99ドル(約2700円)まで変動するとはいえ、極めて妥当な設定であり、どのストーリーを選んでも、自分が実際にその世界にいるのだと感じられるよう現場にいるスタッフが真摯に取り組んでくれていると感じられる。

 突き詰めると、Dreamscapeが提供する世界には、人間、そして物語への欲求がある。ロケーションベースVRが近いうちに消えてしまうことはない、と筆者が感じている最大の理由はそこだ。もちろん、同じようなストーリーは、遠からず家庭用VRヘッドセットでも体験できるようになるかもしれない。だが、決まった場所を訪れて、何か新しい世界へと導かれていく体験と同じものにはならないだろう。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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