VRで体感する「スター・ウォーズ」、デートにいかが?

Ian Sherr (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2019年04月18日 07時30分

 宇宙船の開いたドアの向こうに、浮かんでいる通路が見える。筆者は一息ついてから、自分の位置を確認した。次の瞬間、すぐそばの沸き立つ溶岩の燃える光と熱を感じた。筆者の右側には複数のストームトルーパーが立ち、不測の事態に備えて、ブラスターライフルを携えている。

 筆者とほかの3人は、反乱同盟軍が帝国の要塞に潜入して重要な何かを盗むのを支援するために雇われていた。お決まりの設定だ。

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提供:James Martin/CNET

 銀河系を股にかける仲間のスパイたちと筆者は、まわりに気づかれないよう、その役割にふさわしい衣装、つまりストームトルーパーの完全な装備を身につけている。これまでのところ、すべては順調に進んでいる。

 筆者はしっかりと足を踏みしめた。足の下の移動するプラットフォームが、溶岩の海に囲まれた不穏な雰囲気の城に向かって進み出したからだ。熱風が顔に吹き付けてくる。筆者の目は、周囲の沸騰する海の壮観な眺めに釘付けだ。

 少しの間、カリフォルニア州サンノゼのコンベンションセンターにいることを本当に忘れてしまっていた。筆者はそこで、仮想現実(VR)用のヘッドセットを着用して、「Star Wars: Secrets of the Empire」(仮訳「スター・ウォーズ:帝国の秘密」)をプレイしている。

 筆者は「フォースと共にあらんことを」と言える年齢になったときから、ずっと「スター・ウォーズ」のファンで、おもちゃのライトセーバーを振り回しながら、はるか遠くの銀河で暮らすことを夢見ていた。スター・ウォーズのゲームをプレイし、おもちゃを集め、書籍を読み、遊園地のアトラクションに乗った。もちろん、映画とテレビ番組も見ている。

 「映画を見ていても、ビデオゲームをプレイしていても、これまではずっと、自分とスター・ウォーズの世界には、どこか隔たりがあった」。Lucasfilmの実験的なストーリーテリングを手がける部門、ILMxLabで没入型コンテンツ担当ディレクターを務めるMohen Leo氏は、そう語る。

 筆者が、The VOIDによる今回のスター・ウォーズゲームをプレイすることを何よりも楽しみにしていたのは、そのためだ。そして、実際に、自分があたかもあの世界にいるかのように感じられた。筆者の2歳の息子が大きくなったら、一緒にプレイするようになるだろう。それも頻繁に。

 筆者がそう期待するのは、私たちの夜や週末の過ごし方が根本的に変わろうとしているからだ。スマートフォンから買い物をする人が増えたため、ショッピングモールなどの施設は、足を運ぶべき理由を私たちに与えようと、没入型の体験を模索し始めている。The VOIDやNomadicのように、一部の施設では、没入感をさらに高めるために、センサと戦略的に配置された扇風機やヒーターなどを利用するVRゲームを提供している。VRと現実世界のゲームを組み合わせて、カーニバルのような雰囲気を演出する体験もある。さらには、テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作小説の作者であるGeorge R.R. Martin氏が出資し、ニューメキシコ州サンタフェのアーティスト団体によって作られた没入型の劇場風体験「Meow Wolf」もある。

 各社が模索してできあがったのは、70年代と80年代のゲームセンターや90年代の光線銃を使ったサバイバルゲームと同じような、家庭では味わえない体験だ。

 次世代の不動産技術に出資するベンチャーキャピタル企業Fifth Wall Venturesでプリンシパルを務めるDan Wenhold氏は、「あらゆるものが、より没入的になってきている」と話す。

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提供:Two Bit Circus

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