ゲーム開発会社Activision Blizzardの最高経営責任者(CEO)であるBobby Kotick氏が、社内の性的不正行為について数年前から認識していたと報じられた。The Wall Street Journal(WSJ)は米国時間11月16日、同社傘下のゲーム開発会社の1つで上司にレイプされたとされる元従業員との2018年の和解を含む複数の出来事について、Kotick氏が「知っていることすべて」を取締役会に報告するのを怠ったと報じた。
Activision Blizzardの広報担当者は、この報道は同社とCEOについて誤解を招く見解を示していると述べ、「(Kotick氏の)目に留まった性的不正行為の複数事案については、対処された」とした。
カリフォルニア州の公正雇用住宅局(DFEH)が、差別やハラスメントなど、「男子学生の社交クラブ」のような職場環境だとして訴訟を起こした2021年夏以降、Activision Blizzardは調査を受けている。米雇用機会均等委員会(EEOC)は9月、同社が従業員の公民権を侵害し、従業員らをセクハラ、妊娠差別、報復に遭わせたとして訴えた。Activision Blizzardは同月、被害者への補償などを目的とする1800万ドル(約20億円)の基金を創設することでEEOCと和解した。
問題の渦中で、子会社のBlizzard Entertainmentで社長を務めていたAllen Brack氏が辞任したほか、Activision Blizzard内でのハラスメント、差別、報復に関する報告が調査されたのち、従業員20人超が解雇された。
Activision Blizzardは10月に、新しい「ゼロトレランス」のハラスメントポリシーや、セクハラや差別についての申し立てに対する強制的仲裁の廃止など、職場文化の改善を目指して、さらなる改革に着手すると発表した。Kotick氏は、「利用可能なすべてのリソース」が職場の改善に使われるように、自身の報酬を6万2500ドル(当時のレートで約710万円)に減額すると述べた。それに先立ち、同氏は1億5500万ドル(同約176億円)の報酬パッケージを株主に認められたと報じられていた。
WSJは匿名の情報提供者の話や社内メール、社内文書を基に、Kotick氏や傘下スタジオ幹部らのハラスメント疑惑についても報じている。
この報道を受け、Activision Blizzardの従業員グループはツイートでKotick氏のCEO辞任を求め、ストライキを計画していることも明らかにした。
We have instituted our own Zero Tolerance Policy. We will not be silenced until Bobby Kotick has been replaced as CEO, and continue to hold our original demand for Third-Party review by an employee-chosen source. We are staging a Walkout today. We welcome you to join us.
— ABetterABK ABK Workers Alliance (@ABetterABK) November 16, 2021
同社の取締役会は16日、報告された職場の問題に対するKotick氏の対応は適切であると確信しているとの声明を出した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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