Facebookの大量の社内文書をリークした同社の元製品マネージャーであるFrances Haugen氏は、同社の製品が「子供に害を与え、分断を助長し、民主主義を弱体化させている」として、同社をこれまで以上に積極的に監視することを、議員らに強く求めた。
Haugen氏は米国時間10月5日に上院小委員会で証言し、Facebookについて、人々に最良のものを提供する潜在的能力が低下し、公共の利益よりも自らの収益を優先させていると議員らに述べた。同氏は、社会においてますます高まる同社の破壊的な役割に対処するために、議会が介入するべきだとし、同社にはより厳しい監視が必要で、より多くの情報を開示することが求められるべきだと述べた。さらに、主要なインターネット法であるセクション230の改正に対する支持も表明した。
「議会はFacebookが従う規則を変えて、同社が現在引き起こしている多くの害を止めることができる」(同氏)
Haugen氏は3日、CBSのニュース番組「60 Minutes」のインタビューで、公の場に姿を現した。同氏はこのインタビューで、Facebookが自社のサービスによる悪影響を十分に認識していたとするThe Wall Street Journal(WSJ)の一連の記事の基となった文書を提供した内部告発者が、自分自身であることを明かした。37歳の同氏は、数千ページもの調査資料や通信文書を収集した。その多くに、10代の心の健康に対する悪影響を含めて、Facebookが同社のプラットフォームによって生じるおそれのある害を認識していたことが示されていた。
Haugen氏は、同社内で行われる選択は「ひどい」が、問題は複雑だと述べた。
同氏は「Facebookに勤めている間に、悲惨な事実を知るようになった。Facebook社外の人はほぼ誰も、Facebook社内で起きていることを知らない」として、Facebookは幹部らが悪い選択をしていたことを認めて「モラルの崩壊を宣言」することにより、前に進むことができるとした。
複数の上院議員がこの公聴会で、Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏を非難した。公聴会を開いた小委員会の委員長を務めるRichard Blumenthal上院議員(民主党、コネチカット州選出)は、Zuckerberg氏が自らの責任から巧妙に逃れていると述べた。
「Zuckerberg氏は自らの姿を鏡で見るべきだ」とBlumenthal氏は述べ、「彼の新しいやり方は、謝罪せず、認めず、行動しないことだ。そこには何も期待できない」とした。
Edward Markey上院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)はZuckerberg氏に向けて、「プライバシーを侵害し、有害なコンテンツを推進し、子供や10代の若者を犠牲にしてきたあなたの時間はもう終わりだ。議会は行動を起こす。あなたはわれわれに協力することもできるし、しないこともできる。しかしわれわれは、あなたの企業がわれわれの子供たち、家族、民主主義に害を与えることを、これ以上許さない」と述べた。
Facebookの広報担当者であるAndy Stone氏はHaugen氏の証言を受けてツイートし、同氏がFacebookに勤務したのは2年に満たず、経営幹部との意思決定に関わる会議に参加したこともないと指摘した。さらに「われわれは彼女が証言した多くの件に関する見方に同意しない。それでも、1つのことには同意する。それは、インターネットに関する標準のルールを作る時が来たということだ」とした。
Facebook Statement on today's Senate Subcommittee Hearing. pic.twitter.com/j6mOpEt9P8
— Andy Stone (@andymstone) October 5, 2021
Blumenthal氏、Markey氏、そして Kathy Castor下院議員(民主党、フロリダ州選出)は、「Kids Internet Design and Safety (KIDS) Act」法案に再度言及した。この法案は、「いいね!」やフォロワー数表示などの機能を16歳未満のユーザーに対して禁止するものだ。また、有害なコンテンツの操作的なマーケティングや増長といった、他の問題にも対処する法案となっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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