Facebookが社内向けとして実施したユーザー調査で、傘下の写真共有サービスInstagramが10代の若者たちの心の健康に及ぼす影響について深刻な懸念が示されたことを受け、米議員らがFacebookに対してさらなる情報提供を求めた。
Ed Markey上院議員、Lori Trahan下院議員(ともにマサチューセッツ州選出)、Kathy Castor下院議員(フロリダ州選出)の3人の民主党議員は米国時間9月15日、Facebookに宛てた書簡の中で、「インターネット、特にソーシャルメディアが子供たちや10代の若者たちの生活にますます浸透する中、われわれは貴社が若いユーザーを守る義務を怠り続けていることを深く憂慮している」と述べた。また、13歳未満の子供向けバージョンのInstagramを提供しようとする「すべての取り組みを停止」するよう強く求めた。
The Wall Street Journal(WSJ)は14日、Facebookの研究者らが過去3年にわたって実施した調査で、Instagramが若年層のユーザー、特に10代女子の「かなり大きな割合に対して有害」であることが明らかになっていたと報じた。また2019年に報告された調査では、Instagramによって、10代女子の3人に1人が体型コンプレックスを悪化させていることが判明したという。そのほか、10代のユーザーは、Instagramによって不安になったり落ち込んだりする頻度が増えたと回答したと、WSJはFacebookの社内文書を元に報じていた。
それに対し、Instagramは14日、若年層ユーザーの体験を理解するために行われたこの調査を支持する考えを示した。
Instagramのパブリックポリシー責任者を務めるKarina Newton氏は、「多くの人々の頭にある疑問は、ソーシャルメディアが人々に有益か有害かということだ。この疑問に関する調査結果はその両方を示している。Instagramでは、われわれが行うことの利点とリスクを注視している」と同社ブログで述べた。
Newton氏はまた、Instagramが自社のサービスをすべての人々にとって安全な場所にするために、「いじめ、自殺、自傷行為、摂食障害に関する徹底的な取り組み」を実施してきたことを指摘。同社が、悪影響のある社会的比較やボディイメージについても重点的に取り組んでおり、「特定の種類のコンテンツについて人々が強くこだわっているのを検出したら介入」する手段を開発しているとしている。
WSJの報道を受けて、他の議員からもFacebookへの批判の声が上がっている。Marsha Blackburn上院議員(共和党、テネシー州選出)とRichard Blumenthal上院議員(民主党、コネチカット州選出)は14日、Instagramが10代に及ぼす悪影響をFacebookが知っていたことについて、調査を開始する考えを明らかにした。
「Facebookが自らの責任を果たすことができないのは明らかだ」と両氏は声明で述べ、「Instagramが若年ユーザーに及ぼす悪影響を知っていたことについて、事実を明らかにする機会を与えられたとき、Facebookは、誤解を与えるあいまいな回答をして、深刻な害を示す明らかな証拠を隠蔽した」とした。
両氏はFacebookの内部告発者と連絡を取り合っており、「さらなる文書を明らかにして、証人喚問を求める」としている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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