Instagramが、同社の進めてきた子ども向けサービス「Instagram Kids」の開発を一時中止することが明らかになった。保護者向けの監視ツール開発に集中的に取り組む時間をとるためだとしている。また、新サービスの開発停止期間を利用して、子ども向けの「Instagram」アプリが実は良いものであり、かつ必要なものだということを、より広い世界に説明していくつもりだという。
Instagramによる子ども向けアプリ開発の動きは、3月にBuzzfeedによって報じられていた。Instagramはそのようなサービスを開発中だと認めたが、人権団体のほか、いじめや心の健康を対象として活動する団体などの間から激しい怒りの声が上がった。これらの団体はいずれも、低年齢の子どもにソーシャルメディアを提供することへの懸念を示していた。また、9月に入り、Facebookによる社内向け調査で、Instagramが10代の若者に悪影響を及ぼすことが明らかになっていたとThe Wall Street Journal(WSJ)が報じた。Instagramの子ども向けサービス開発への懸念が再燃し、同社に対する風当たりが強まっていた。
子ども向けInstagramアプリの開発が一時的に中止されても、将来的にはやはりそうしたアプリが登場することになるだろう。
Instagramの責任者であるAdam Mosseri氏は米国時間9月27日に公開したブログ記事の中で、Instagram Kidsの開発について「正しい行動」だと今でも確信していると述べている。同氏は、子どもたちが既にオンラインにおり、年齢を偽ってInstagramを利用している(Instagramには13歳以上でないとユーザーになれないという年齢制限がある)中で、Instagramでは10~12歳の子ども向けに、年齢に適した専用のサービスを提供することが最良だと考えていると説明した。Instagram Kidsは、成人向けのInstagramの複製ではなく、広告なしで提供され、またユーザーは保護者によって直接監督されるものになるという。
「このバージョンを現行のInstagramと同じものにするつもりはない。(Instagram Kidsは)子どもがアプリに費やす時間、メッセージを送る相手、誰をフォローして誰をフォローしてはいけないかを、保護者が監視することができるものになる」(Mosseri氏)
Mosseri氏はその後のツイートで、Instagramがこのプロジェクトの延期を決断した理由について説明し、同社によるInstagram Kids公表の準備が整う前に情報がリークしたことや、Instagram側で同サービスに関する疑問に答え、人々の不安を解消する準備が整っていなかったと述べた。また同氏は、WSJの記事をきっかけに懸念がさらに高まったことで、同社がこの開発に対してさらに時間をかける必要があることが明らかになったと付け加えた。
(これに先立ち、Facebookは27日、別のブログ記事でWSJの記事に反論し、同社の調査結果を誤解し、誤った形で伝えているとした)。
Mosseri氏は、Instagram Kidsを批判する人々が、「このプロジェクトは悪い発想だということを認めた」ためにこのプロジェクトを中止したのだとみなすとしたら、それは誤りだと述べた。そうではなく同社は、ティーン(13歳以上)向けのオプトイン形式の監視ツールの開発も続けながら、保護者、専門家、政治家と連携して、Instagram Kidsの「価値と必要性」を示したいと考えている。「このプロジェクトに対する懸念は私の耳に届いており、今回の措置を今日発表したのは、これを正しく進めるためだ」と同氏は述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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