パナソニックら、AI画像認識による見守りの実証事業--5G活用、奈良県三郷町で

　パナソニックは9月21日、総務省「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に提案した「スマートシティにおける移動体搭載カメラ・AI画像認識による見守りの高度化」の実証事業企画が、8月31日に採択されたと発表した。

実証の概要

　今回の実証事業は、長大、奈良県三郷町、パナソニック システムソリューションズ ジャパン、アイサンテクノロジー、損害保険ジャパンらが、長大を代表機関とする三郷町スマートシティ実証コンソーシアムを形成して取り組むもの。

　実証フィールドとなる三郷町では、坂道が多く移動手段として公共交通機関の確保が不可欠な一方で、人口減少によるドライバー不足が懸念されているという。また、ベッドタウンとして発展した町のため、昼間に人通りが少なく、さらに人口減少も重なると、地域の見守り維持が困難な状況が予想される。

　これらの課題解決のため、「自動運転車両の運行」および「AI技術・ローカル5Gネットワークを活用した顔認証・画像認識による地域の見守りの高度化」を進めており、内閣府の「未来技術社会実装事業」に選定されている。

　実証事業では、2022年の1～3月の期間、奈良学園大学三郷キャンパスにおいて、スマートシティにおける高齢者や児童の見守りによる安心・安全なまちづくりを目的に、超高速・超低遅延・多数同時接続を実現するローカル5Gを活用した技術実証と、ローカル5G活用モデルの調査検討を行う。

　キャンパスでは、移動体（自動運転車両）に搭載したカメラ映像をローカル5Gで監視センターに伝送する実証と、AI画像センシング技術により、不審者のうろつきや高齢者の転倒、車両ナンバーなどを検知する実証、さらに、顔認証技術により、高齢者の徘徊や子どもの連れ去りなどを検知する。

　カメラを固定式ではなく移動体に搭載することで、監視カバーエリアを効率的に拡充することや、AI画像センシング技術・顔認証技術により自動見守りすることで、人手不足の問題を解消する効果を期待している。

　コンソーシアムメンバーとして、パナソニックはローカル5Gネットワーク環境構築と、技術実証・ローカル5G活用モデルの調査検討統括、およびAI画像センシング技術・顔認証技術のシステム供給を担当する。