黒人男性が映っている動画がFacebook上で再生された際、「霊長類に関する動画を続けて見る」かどうかを尋ねる自動プロンプトが表示される問題が最近生じた。この件を受け、Facebookは報道機関向けの声明で、「受け入れ難い」誤りだったとして謝罪した。
The New York Timesによると、複数の黒人男性が白人の警察官や一般市民と言い争っている様子が映っているこの動画は、2020年6月に英国のタブロイド紙The Daily Mailが投稿したものだという。Facebookはプロンプトについて謝罪し、人工知能(AI)による機能を停止したことと、こうした問題が再発しないよう調査していることを明らかにした。
「これまで説明したように、われわれは当社のAIを改良してきたが、それが完全ではないことも承知しており、さらなる進歩を実現しなければならない」(Facebook)
Facebookによる今回のプロンプト誤表示は、AIと人種をめぐりたびたび生じてきた問題の新たな事例でもある。顔認識システムは、一部の法執行機関に採用されているものも含めて、有色人種を識別する際の正確性に問題があることが知られており、有色人種が誤って容疑者と認識されるリスクが指摘されている。
さらに、今回の誤りは生活する上で重要な役割を果たすテクノロジー、例えば住宅ローン申請者の選別に使われるアルゴリズムなどに、偏見が含まれているのではないかという問題への懸念を強めるものだ。
Facebookは2020年7月、同社と傘下のInstagramが使用するアルゴリズムや製品に存在する可能性のある人種的偏見について、調査するチームを作ることを明らかにしていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス