ライカ初のスマホ「Leitz Phone 1」のカメラ性能をチェック--1インチセンサーの実力は - (page 3)

山川晶之 (編集部)2021年08月31日 12時30分

夜の撮影が不安になるオートフォーカス

 一方で、気になるポイントが無いわけではない。一番感じたのはAF精度だ。太陽光が降り注ぐ昼間であれば特に気になることはないが、暗い室内などでは合焦に時間がかかったり、ピントを外したりすることが増えてくる。特に夜間の撮影は至難の技で、街灯など明るいところをタップして合焦させようにもフォーカスしてくれないばかりか、ピントが合っていないのに合焦したと判断して「ピピッ」という音を伝えてくる。AF精度があまいため、せっかくのSummicronレンズの描写が生かせないケースも多くあった。まるで像面位相差が普及する前の、コントラストAFを使ったコンパクトデジカメを思い出す挙動だ。

 また、ToFセンサーゆえの“クセ”も感じられた。ガラス越しで撮影しようとすると、離れて撮影するようにアラートが表示される。もちろんガラスは透明で、一般的なスマートフォンでは難なく合焦するケースではあるが、ToFセンサーがガラスを障害物と認識しているのだろう。この状態で写真を撮ろうとしても全くピントが合わない。これを回避するには、本体を少しガラスから遠ざける必要があり、映り込みがないようにガラスに近づけて撮影するというのは難しそうだ。

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窓ガラスに近づきすぎるとアラートが出る

 ナイトモードも気になる機能の一つだ。基本的には、他のスマートフォンと同様、手持ちできれいな夜景を撮ることができるのだが、シャッタースピードにばらつきが出てしまうことがあった。例えば、1秒で撮影完了するときもあれば、同じシーンなのに15秒や25秒と表示されることに何度か遭遇した。数秒程度ならブレることはないが、25秒間手持ちとなるとさすがにブレブレの写真が出来上がる。ちなみに、Leitz Phone 1 の画質はニュートラルと先ほどお伝えしたが、ナイトモードに関しては、HDRの効果が強いのか彩度が高い画が出てくる傾向にある。

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光源も複数あり決して暗いシチュエーションではないのだが、シャッタースピードが25秒と表示されてしまった。もう一度試したところ、今度は1秒で撮影できた
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通常撮影時
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ナイトモード使用時。彩度が高くなっているのがわかる

 そのほか、室内や薄暗いシーンなどでホワイトバランスが寒色系に転ぶことが多い。最近のスマートフォンはAWBも安定しているが、Leitz Phone 1は若干ピーキーのように感じる。シャッターラグも少なからずある。これは、AFが遅い点とも絡んでくるが、シャッターボタンを押してからシャッターが降りるまでワンテンポ遅れがちになる。結果、撮影のチャンスを逃してしまうことが何度かあった。

 こうした問題点の一部は、「マニュアル写真」モードで回避できる。このモードは、ISO感度やシャッタースピード、ホワイトバランス、フォーカスなどを調整できるモードで、フォーカスはピーキングモードを搭載。ピントが合っているエッジ面を赤色などで強調してくれるので、マニュアルでもピントを合わせやすい。ただし、Leitz Looksにはマニュアルモードが存在しない点に注意したい。

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マニュアル写真モード。フォーカスがあっているか判別しやすくするピーキング機能が利用できる

 なお、夜間のAFについては露出を少し下げることで多少ピントが合いやすくなることを確認した。暗いところでAEが必要以上に露出を上げる傾向が見られたので、明るい部分が露出オーバー気味になってしまい、おそらく被写体のコントラスト差をうまく検知できなかったものと思われる。

手ブレ補正は強力だが癖のある動画モード

 動画は、4Kの撮影が可能。1インチセンサーとSummicronレンズを動画に生かすことができる。0.7倍(19mm)から2倍(48mm)までズームでき、ピンチイン・ピンチアウトで倍率の変更も可能だ。また、AQUOS R6と同様、電子式手ブレ補正(EIS)を搭載するが効果はかなり強力。歩きながらの撮影でも画が揺れることはほぼない。ジンバルいらずと言っても過言ではない出来だ。また、撮影中に重要そうなカットを写真として自動保存する機能や、撮影した動画から15秒ほどのダイジェスト動画を自動で作成する「AIライブストーリー」なども搭載されている。

 ただし、動画に関しても気になる点がいくつかある。まず、エッジがカーブしているディスプレイのため、本体を横向きにして持つとディスプレイの端に指が触れた状態になる。静止した状態では特に気にならないが、両手で持った状態のまま激しい動きなどで指の位置がズレてしまうと、ズーム倍率が意図せず変わることがあった。ケースに入れれば誤タッチを防ぐことができるものの、今度は熱がこもってしまう。ハイエンドSoCと1インチセンサーを搭載しているためか、夏の屋外では短時間の撮影でも本体が高温になり、ケースを付けたままだと警告画面とともにアプリが終了しまうことがたびたびあった。

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本体を裸の状態で横に持つとディスプレイのフチが指に触れてしまう
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大型イメージセンサーとハイエンドSoCの影響か、カメラ使用時に熱を持ちやすい。ケースをつけた状態で炎天下で使用した際、写真撮影のみでも高温でアプリが終了することがたびたび発生した

 動画時のAFも静止画撮影時と同様で、暗いシーンではピントが外れたままタップしても再合焦しないケースが目立った。さらに、AEが夜の露出を明るめに補正するため、光量を稼ぐべくシャッタースピードが必要以上に遅くなってしまい、被写体ブレが多くなる傾向も確認できた。ただし、フレーミングは補正されるため、画は安定しているが被写体はブレるという不思議な動画が出来上がる。これは、強力なEISを搭載するアクションカムでも見られる現象だ。

 なお、すでにお伝えした通り、本記事は8月16日配信のアップデートを適用する前の状態でテストしており、上記のポイントのうち改善している箇所もあると思われる。SNSなどを見ると、AFが少し改善したとの声もあるようだ。

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