「アルテミス計画」で2024年までに月面に宇宙飛行士を送り込むという米航空宇宙局(NASA)の目標は、すでに困難かつほぼ間違いなく不可能となっているが、NASAはこのほど、その計画の重要な部分を少なくとも11月まで保留することになった。
Amazon創業者のJeff Bezos氏が率いる宇宙関連ベンチャーBlue Originは米国時間8月16日、アルテミス計画の有人着陸システム(HLS)開発を委託する唯一の企業としてSpaceXを選定したNASAを米連邦裁判所に提訴した。それを受けて、NASAとElon Musk氏率いる民間宇宙開発の草分けであるSpaceXとの間で行われていたHLSに関する公式の作業はいったん停止された。
「NASAは8月19日から11月1日まで、HLSオプションA契約に関するSpaceXとの作業を自発的に停止した」「この一時的な作業の停止と引き換えに、すべての当事者は訴訟日程を早めて11月1日に結論を出すことで合意した」(NASA)
非公開で訴状が提出された今回の提訴で、Blue Originは抗議の姿勢をさらに強めた格好だ。同社は4月に正式な抗議を提出していたが、米政府の会計検査院(GAO)は7月にBlue Originの抗議を退けた。Blue Originは抗議の中で、NASAがHLS契約を少なくとも2社に委託するとしていた計画を反故にし、政府はSpaceXと不適切な値下げ交渉をしていたと主張した。一方のNASAは、特定の契約社数を確約していた事実はなく、すべての調達規則に従っていたとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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