JX通信社は8月18日、あいおいニッセイ同和損害保険、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、SMBC日興証券と、既存株主であるグローバル・ブレイン、ABCドリームベンチャーズ(朝日放送グループ)の計5社を引受先とした第三者割当増資を実施したと発表した。
加えて、商工組合中央金庫、日本政策金融公庫、三井住友銀行、三菱UFJ銀行の4行からの借入(融資枠設定を含む)も実施。これにより、シリーズCラウンドの調達額は総額約20億円となった。今回の資金調達により、同社の累計調達額は約35億円になっている。
同社は、SNSをはじめとする各種ビッグデータからリスク情報を検知・配信する「FASTALERT」や、報道価値の高いニュースをAIで速報するニュース速報アプリ「NewsDigest」を主事業として展開している。
FASTALERTは、NHKとすべての民放キー局、すべての一般紙に採用されるなど、国内の報道機関が活用。最近では、防災やBCP、障害監視やサプライチェーンのリスク管理など、広範なニーズに対応する情報ツールとして、政府・自治体やインフラ企業をはじめとする幅広い業種でも導入されているという。
また、NewsDigestは、総ダウンロード件数が約500万件に到達。月間アクティブユーザー数は、前年比4倍に成長しているという。このほか、データジャーナリズムの取り組みの一環として、自動電話調査ソリューション「JX通信社 情勢調査」も提供している。FASTALERTと同様に、全国の多数の新聞社・テレビ局の選挙報道での採用が進んでいるという。
同社では、今回調達した資金を、主力事業のFASTALERTを軸とした「データインテリジェンス・プラットフォーム」を強化するための開発・営業体制強化に充てる予定。これにより、災害や事故にとどまらない、多様な企業のリスクにまつわる課題解決に取り組んでいくとのこと。
こうした取り組みをより加速するため、同増資に参加した、損害保険大手MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険と資本業務提携契約を締結している。
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