JX通信社は8月3日、宇宙ベンチャーのアクセルスペースと協業し、次世代の衛星報道サービスの提供に向けた実証実験を実施すると発表した。期間は、7月から2022年1月までを予定(早期終了の場合あり)。
両社は不定期にアクセルスペースの「AxelGlobe」衛星で撮影を行い、JX通信社が報道機関や官公庁、インフラ企業等に配信する「FASTALERT」の契約顧客に無償提供するほか、無料速報ニュースアプリ「NewsDigest」においても、概要を独自速報として配信する。
第1弾として、静岡県熱海市で7月3日に発生した大規模な土砂崩落の前後の様子を撮影した速報衛星写真を公開する。
熱海における土砂崩落においては、発災当日はメディアはもとより、政府・自治体も現地調査が困難な状況となっており、同社がメディア各社に提供した住民によるSNS動画が長期間に渡り、被害状況を知る手がかりとして活用されていた。
今回の試行提供により、より気軽かつ迅速に衛星画像をメディア企業や官公庁、インフラ企業が活用可能となり、多角的かつ広範に事象の発生状況を把握しつつ、報道や災害復旧に役立てられるとしている。
JX通信社は、SNSをはじめとする各種ビッグデータから、報道価値の高いリスク情報をAI(人工知能)を用いて超高速に検知し、報道機関や官公庁、インフラ企業などに配信するFASTALERTをはじめとするプロダクトを提供する報道ベンチャー。
アクセルスペースは、自社開発・運営の超小型衛星コンステレーションによる地球観測事業を展開する宇宙ベンチャー。次世代地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」において、より迅速に指定場所の撮影が可能となる5機体制でのサービスを6月10日に開始している。
両社はビッグデータにより「今起きていること」を明らかにし、より安全な社会を創るというミッションに共感。災害だけでなく社会事象についての撮影も目指す。
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