「Galaxy」シリーズのスマートフォンが将来、海洋から回収されたプラスチックを再生利用した素材で作られるようになるとしたらどうだろうか。そんな未来像を、サムスンは可能性の1つとして思い描いている。同社は米国時間8月11日に開催した新製品発表イベント「Galaxy UNPACKED 2021」で、2025年までにスマートフォンのパッケージに関して、シングルユース(リサイクルされずそのまま捨てられる)プラスチックを全廃すると発表した。これは大手テクノロジー企業が、地球環境問題への取り組みを強化するとして具体的な目標を示した、最新の例となった。
サムスンが発表した新たな持続可能性プラットフォーム「Galaxy for the Planet」では、同社のGalaxyシリーズのスマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、イヤホンについて、製造から使用後に処分されるまでの間に出る廃棄物の大幅削減に取り組んでいく。この発表と同じ週には国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、気候変動の急速な進行を抑えるため、温室効果ガスの排出削減を政策立案者に求める報告書を公開した。
サムスンはパッケージに関するプラスチック全廃の取り組みと併せて、2025年までにすべての新しいモバイル製品でリサイクル素材を採用することを計画している。海洋から回収されたプラスチックが関わってくるのはこの部分だ。サムスンでモバイル通信事業の広報担当バイスプレジデントを務めるSophia Kim氏が米CNETに語ったところによると、サムスンが今後、スマートフォンを製造する上で試験的に採用したいと考えている素材の1つが、こうした海洋から回収されたプラスチックだという。
サムスンはさらに、同じく2025年までに、廃棄物の埋め立て処理全廃を目標に掲げるとともに、スマートフォンの充電器についても待機電力消費の実質ゼロ化を目指し、エネルギー効率をさらに向上させる。サムスンのスマートフォン充電器の場合、現在の待機時電力消費は 0.02Wだが、同社ではこれを2025年までに0.005W未満にまで抑えたい考えだ。そうなれば、充電器が電源に差し込まれているが使用されていない場合の電力消費を減らせる。
サムスンはこの数年、より環境に優しい製品を追求してきたと、Kim氏は解説する。例えば、Galaxyシリーズのスマートフォンの充電器や「Galaxy Buds Pro」「Galaxy Buds Live」そして新しい「Galaxy Buds 2」はいずれも、全体の20%にリサイクル素材を採用しているという。
また、サムスンはパッケージの素材をより環境に配慮したものに切り替えてきた。2021年発売の「Galaxy S21」では、2016年の「Galaxy S7」に比べて、廃棄物の量が51%減少している。現在、Galaxyスマートフォンのパッケージに使われているプラスチックは本体の保護カバーのみだが、サムスンはこの部分についても、さらに環境に優しい素材にするべく取り組んでいる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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