オンラインで嫌がらせの被害に遭ったことのない人は、そうした嫌がらせをする人が匿名のアバターやユーザー名を使って身元を隠していると思いがちだ。しかし、実際はそうとは限らない。
Twitterは英国向けブログで現地時間8月10日、7月のUEFA欧州選手権(ユーロ2020)決勝で敗れたイングランドのサッカー選手らが人種差別的な中傷の標的になった際、同社が停止したアカウントの99%は匿名ではなかったことを明らかにした。
TwitterやInstagramでは、試合終了から数時間のうちにイングランド代表の黒人選手3人に対する人種差別的な誹謗中傷があふれた。これを受け、Piers Morgan氏をはじめとするコメンテーターらが、ソーシャルメディアのプラットフォーム各社に対し、匿名のアカウントを作成できないようにすることを求めた。人種差別的なコメントを投稿しづらくするためだ。
嫌がらせを助長する主な要因が匿名性にあるとの考え方は、新しいものではない。英国では、制定に向けて準備が進められている「Online Safety Bill」(オンライン安全法案)に匿名アカウントの禁止を盛り込むべきかどうかという議論さえある。しかし、ソーシャルメディアサイトにIDの確認を義務付けるべきかどうかという議論は、自分の行動に責任を持てる人であれば人種差別主義者にはならないという誤った考えに基づいている。
Twitterが10日に明らかにした情報は、有色人種の人々がすでに訴えてきたことを裏付けるものだった。つまり、匿名のアカウントで結果責任から逃れられるかどうかに関係なく、人は人種差別的になりうるということだ。
Twitterは、有害な言葉を使ったアカウントを自動で一時的にブロックする新機能を近く試験的に導入すると述べた。また、使っている言葉が有害かもしれないと思われる場合は、リプライ時にツイート内容を再考するよう促すプロンプトを表示する機能も引き続き提供していくとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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