マイクロソフトやFacebookらが目指す「メタバース」を取り巻く様相 - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2021年08月13日 07時30分
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誰もがVR(またはAR)を受け入れるわけではない

 Microsoftの最近の推しは、「Hololens」に加えてスマートフォンでも稼働するARだ。Appleは「iPhone」と「iPad」上のARにフォーカスしている。Facebookは、「Oculus」を非VRなソーシャルアプリと統合している。これらに共通することに気づくのは簡単だ。すべての人々をVRヘッドセットあるいはARスマートグラスに夢中にさせることは決してできない。誰もがスマートウォッチを手首に巻いたり、「AirPods」を装着したり、「Nintendo Switch」で遊んだりするわけではないのと同じことだ。

 仮想世界のクロスプラットフォーム化は、メタバースが目指す方向だ。VRヘッドセットとARメガネは、最終的には耳にとってのヘッドフォンのような、より没入できるディスプレイのポータブルな代替品になるだろう。手軽に脱着でき、必要なツールを選べる。ほとんどのメタバース構想は、どんなデバイスからでも参加できることを目指している。

誰もがリモートワークとテレプレゼンスのアイデアを解決しようとしている

 私は2021年に入り、Microsoftで複合現実(MR)を担当するテクニカルフェローAlex Kipman氏にバーチャルで会い、「Microsoft Mesh」のデモを見せてもらった。私はHololens 2を装着し、Kipman氏のアバターが我が家に浮かぶのを見た。われわれはバーチャルなテーブル越しに少し話した。それから、別のヘッドセットを装着してVRの世界に入り、会話を続けた。

Kipman氏と筆者
2021年、私はAlex Kipman氏と一緒にバーチャルなクラゲを眺めた。2人ともHololens 2を装着し、離れた場所にいた。お互いの姿はアバターとして表示された。
提供:Microsoft/Screenshot by Scott Stein/CNET

 こうしたARからVRへの移行はスムーズではなく、ウェブ会議サービスのZoomの体験を次のレベルに引き上げる方法は、誰にも分からない。VRとARは、人々をテレプレゼンスで一緒にするための可能性を幾つか提示するが、Zoomや「FaceTime」などのビデオチャットにある、カメラを通じた自然なつながりの感覚の一部が失われる。

 Facebookの最高経営責任者(CEO)、Mark Zuckerberg氏は5月、同氏が構想するメタバースの目標は、そこで人々が働けるようにすることだと私に語った。Microsoftも同じ考えだ。Spatialなどの他のソフトウェア開発企業も同じ目標を持っている。

 誰もが使える解決策はまだどの企業も見出していないが、複数の企業が「職場としてのメタバース」の実現を目指して努力している。

メタバースはデジタル化した自宅を構築することでもある

 「Second Life」。「The Sims」。奇妙だった「PlayStation Home」。IT企業は長い間、在宅オンラインのアイデアを解決しようとしてきた。ソーシャルメディアはこのアイデアを、プロフィールページ、ハンドル名、テキストストリーム、写真ライブラリーとしてシンプルに再発明した。

 現在メタバース上で行われている試みのすべては、個人のスペースを作ってカスタマイズできる世界を構築することに集中している。VRでは、例えば「Oculus Quest」の場合、使えるアプリはたくさんあるが、自分の家を作る場所はない。それは問題ではないかもしれないが、多数のテクノロジー企業は、より野心的なオンライン体験を追求している。

 人々が集まって働ける、ある種の仮想化されたオフィスや会議スペースが実現すれば、それはさらに重要になってくるだろう。今のところ、会議はZoomで迅速かつ効率的に行えるし、ドキュメントを共同編集することもできる。Spatialのようなアプリは、異なるデバイスで参加できるコラボレーションプラットフォームを目指しているが、条件や一般的なアプリについての同意はまだない。

縄張り争いが始まる

 メタバースは答えではない。むしろ問いかけだ。私は、VRヘッドセット、スマートウォッチ、スマートフォン、タブレット、ARデバイスが、すべて相互接続され、シームレスに連携して機能するのを心待ちにしてきた。

 だが、こうした夢には、Microsoft、Facebook、Apple、Epic Games、Google、その他大勢が関わっている。皆がプラットフォームになりたい、目的地になりたい、その目的地に入るためのソフトウェアになりたいと考えている。しかし、全員がそうなることはできない。あるいは、できるのだろうか。

 われわれは既に、没入型エコシステムの境界を超えた多数の争いを見てきた。Apple対Epicの法廷闘争は、実際には1つのペイウォールが終わり、別のペイウォールが始まるというものだった。そのウォールがアプリ内にある場合もあれば、境界がはるかにあいまいな場合もある。未来のメタバースでは、さまざまなデバイスで複数のソーシャルスペースを往来でき、サイロ化されているコンテンツにもアクセスできるようになる。そうなれば、問題になっている境界はさらに見極めにくくなるだろう。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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