Netflixは米国時間7月20日、ビデオゲーム分野に進出することを認めた。まずはスマートフォンやタブレットなど携帯端末向けの広告なしのゲームを、既存サービス上で会員に提供するという。追加料金は発生しない。
Netflixは2007年に動画配信を開始し、2012年には同社初のオリジナル作品をリリースしたが、ゲームへの進出はそれ以来最大の、新しいエンターテインメント分野へのサービス拡大となる。
モバイルゲームに優先的に取り組むものの、Netflixが対応する全てのデバイスがゲーム提供の候補だと、同社は20日に説明した。それには「PlayStation」や「Xbox」などのゲームコンソール、デスクトップPC、コネクテッドテレビも含まれるとみられる。
同社は提供時期を明らかにせず、「初期段階にある」とだけ述べた。
Bloombergは先週、Netflixが今後1年以内にビデオゲーム分野に参入する計画だと報じた。Netflixはその際、Facebook、Electronic Arts(EA)、Zyngaに勤めていた経験を持つMike Verdu氏をゲーム開発担当バイスプレジデントとして起用したことを認めたが、それ以上のコメントは避けていた。
ゲーム分野への進出により、テレビ番組や映画という、世界最大規模のサブスクリプション動画配信サービスとしての同社の基盤事業が拡大する。ゲーム分野への進出を図っているのは、同社だけではない。Amazonは、クラウドゲームサービス「Luna」を開発するとともに、独自のゲームスタジオを保有しており、Googleはゲーム配信サービス「Stadia」に資金を投じている。
Netflixは最近、ゲーム事業に関心があることを示唆していた。同社はこれまでに、『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』のような、インタラクティブなアドベンチャーゲーム形式の映画の制作や、複数のライセンスや商業提携によって、ゲーム事業に手を出したことがある。しかし4月には、Netflixの最高執行責任者(COO)兼最高製品責任者(CPO)であるGreg Peters氏が、Netflixのゲーム分野に対する関心が前進する可能性を示唆していた。
「当社はファンのコミュニティーをより深く掘り下げるあらゆる方法を理解しようとしている。その中でもゲームが非常に興味深い選択肢であることは間違いない」とPeters氏は語り、「ゲームがエンターテイメントの一形態として重要なこと、ファンの体験をより深める方法としても重要なことは明らかだ」としていた。
Netflixは規模の拡大とともに、直接的に競合する従来のテレビや映画の制作会社だけが競争相手ではないとの考えを、以前から表明していた。同社は、「フォートナイト」のような爆発的人気を誇るゲームや、ユーザー制作動画の大規模サービスである「YouTube」を、世界中でエンターテインメントに費やされる膨大な時間をめぐる最も強力な競争相手として、繰り返し挙げていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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