Amazonは自社クラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」で、ハッキングツール開発企業NSO Groupのアカウントを無効化した。NSO Groupは、複数の政府がスマートフォンの監視に利用している自社スパイウェアシステムの一環として、AWSを利用していたと報じられている。今回の措置は、人権団体アムネスティ・インターナショナルのフォレンジック調査団によるレポートを受けたもの。このレポートでは、NSO Groupのソフトウェア「Pegasus」が活動家やジャーナリストのスマートフォン上で見つかり、AWSシステムを介してインストールされたケースもあったとされる。
トロント大学でスパイウェアを分析するCitizen Labのフォレンジック研究者も、それらのハッキングツールがAWSの「CloudFront」製品で実行されていたことを独自に確認した。アムネスティのレポートによると、AmazonはNSO Groupの活動を自社のシステムから速やかに排除したと、5月に電子メールで伝えたという。
NSO Groupのアカウント削除に先立ち、NSO Groupの活動の詳細が一連のニュースサイトで報じられていた。5万件の電話番号からなるリストが分析され、その一部についてはアムネスティの研究者らがスマートフォンを直接分析して、37台がNSO Groupのソフトウェアによってハッキングされていたことを確認したという。The Washington Postによると、殺害されたサウジアラビアの記者Jamal Khashoggi氏と親しかった2人の女性も標的に含まれており、アムネスティによると、インド、アゼルバイジャン、ルワンダなどの国の複数の記者や活動家が含まれていたという。
NSO Groupは、Khashoggi氏に関連する人物へのハッキング攻撃と同社ソフトウェアとの関与を否定し、報道されている調査に疑問を呈した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス