Appleは米国時間7月16日、Amazonからの要請により、レビュー分析アプリ「Fakespot」を「App Store」から削除した。Fakespotは、「Amazon.com」などの買い物サイトの偽レビューや偽造品のフィルタリングを目的としたアプリだ。
Amazonは同日、FakespotがAmazonのレビューシステムとは異なる基準で出品者や商品を評価することについて、「Amazonの出品者やその商品について、誤解を招く情報を与え、そのビジネスを阻害する」と述べた。また、Fakespotの動作が不明なため「セキュリティ上のリスク」にもなるとした。
Fakespotの最高経営責任者(CEO)を務めるSaoud Khalifah氏は、Amazonが自社プラットフォーム上の詐欺行為を隠ぺいしようとしているとして批判した。
「偽レビューを読んでいたり、偽造品や有害な詐欺的商品を購入しようとしていたりする消費者には、そのことを知る権利がある」(Khalifah氏)
「iOS」版のFakespotはリリースからの数年で約15万回インストールされており、会社もこれまでに500万ドル(約5億5000万円)の資金を調達してきた。
Appleはこの件について、「6月8日にAmazonによって開始された知的財産権をめぐる論争」だとして、両社とともに問題の解決を試みたことを明かした。Appleはアプリの公開停止の前、6月29日にもFakespotに連絡を取ったという。
Amazonは現在、レビューの勧誘をする企業や組織への対策を強化している。Amazonは金銭や無料の商品の見返りを受けた「インセンティブによる」レビューを禁じている。
偽レビューは、企業がAmazonでの商品ランキングを引き上げるのに利用されている。
Amazonは、Fakespotで「信用できない」とされた商品を確認したところ、80%の商品について評価が誤っていたと述べた。Appleのガイドラインでは、虚偽の情報を広めるアプリや、他社のサービスに許可なくアクセスするアプリは禁止されている。
Khalifah氏はAppleがFakespotの公開を停止した一方で、偽レビューを含むAmazonのアプリを公開していることに対し、「偽善的」として不快感を示している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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