2021年と2022年にかけて通信速度が向上しそうな要因として、まもなく、通信事業者がミッドバンド5Gネットワークを展開することが挙げられる。5Gの初期の頃、Verizonはミリ波を支持し、主要な都市の中心部やイベント会場にミリ波ネットワークを構築した。AT&TとT-Mobileもミリ波ネットワークをある程度構築したが、主に焦点を合わせていたのはローバンドの5Gだった。T-Mobileは、Sprintの買収を通してミッドバンドの周波数帯を獲得し、ミッドバンド5Gの展開で先鞭をつけた。ミッドバンドは、通信速度と範囲の「いいとこどり」と広くみなされている。
T-MobileのプレジデントのNeville Ray氏は米CNETのEli Blumenthal記者に対し、次のように述べている。「2021年には、(中略)AT&TとVerizonを合わせたよりも広い範囲でミッドバンド5Gを展開する。両社が市場に展開すると発表した範囲の2倍の規模になるだろう」
Qualcommの新最高経営責任者(CEO)に就任したCristiano Amon氏は6月28日、「Mobile World Congress」(MWC)での基調講演で、世界中の35社以上の事業者とデバイスメーカーがミリ波のサポートに取り組んでいると述べた。Amon氏によると、ミリ波は都市内で今までより広範に展開されるという。
5Gに関して現在進んでいるのが、デバイスの低価格化だ。スマートフォンの価格は、多くのマーケットウォッチャーの予想よりも早く下落し、米国では2021年に300ドルを切る最初の5Gスマートフォンが発売される。
Strategy Analyticsによると、2019年の5Gスマートフォンの平均卸売販売価格は732ドルだったが、2020年には507ドルまで下がったという。「本来ならもっと低下していたはずだが」、第4四半期に「果物を社名にした企業(Apple)が5Gスマートフォンを発表した」ため、そうならなかったとHyers氏は話す。Appleのおかげで、2021年の平均卸売販売価格は多少上昇して、513ドルになるはずだ。Strategy Analyticsによると、iPhoneは2021年、全世界で出荷されるスマートフォンのほぼ3分の1を占めることになるという。しかし、2022年には、さらに低価格の「Android」スマートフォンが大量に出荷されるため、平均卸売販売価格は425ドルまで下がる見通しだ。
「5Gの採用を大幅に拡大させるには、今よりももっと手頃な価格にするしかない」。そう話すのは、TCLのグローバルマーケティング担当ゼネラルマネージャーのStefan Streit氏だ。「われわれは、2021年後半までに200ドルという価格を実現できるはずだ」とStreit氏。また、TCLは、2022年に150ドル以下、2023年には100ドル以下で5Gスマートフォンを提供できると考えているという。
スマートフォンがそれらの価格帯で販売される頃には、5Gの速度を有効に活用するアプリやサービスがようやく登場しているかもしれない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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